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【文学部独自のキャリア支援】湯河原町でPBLを実施しました

全体概要

10月から12月のおよそ3か月にわたり、文学部1・2年生の希望者16名が湯河原町の協力のもと、PBL(課題解決型学習)を実施しました。
本プログラムは昨年度からスタートし、今年で2年目を迎えました。「町役場が抱える課題や困りごとを解決しながら、観光客の増加につなげる施策を打ち出す」というテーマが設定され、4名ずつの4班に分かれて最優秀賞を目指し競い合いました。

さらに、各班は以下の2つのサブテーマ(ミッション)に基づき施策を検討しました。
・海辺周辺地域の活性化(C班・D班)
・インバウンドの増加(A班・B班)

それぞれの班が創意工夫を凝らし、具体的な施策提案に向けて真剣に取り組みました。

事前学習 10月7日 (1)チームビルディング
(2)PBLへのマインドセット/参加目的の整理
ヒアリング 10月21日 この日までの事前調査に基づき湯河原町観光課長へのヒアリング(オンライン)
 現地調査 11月5日~6日  事前調査・ヒアリングをもとに現地調査・最終プレゼンに向けての準備
 最終プレゼン  12月16日 湯河原町関係者に向け施策の提言 

■実施目的
役場の抱えている課題や困りごとを解決しながら、観光客(日本人および外国人)増に繋げる施策を打ち出す。

■GOALイメージ
・周囲と合意形成しながらアウトプットすることの楽しさと難しさを知り、チームワークに対する経験を得る。
・チーム共同での作業や他のグループの取り組みの様子から、考え方の違いに触れ、刺激を受けることで新たな考え方があることを学ぶ。

▼事前学習(10月7日)

 (1)チームビルディング
PBLを円滑に進めるためには、チーム内での良好な関係構築が不可欠です。今回のプログラムでは、チームメンバー全員の専攻が異なるため、まずは自己紹介とアイスブレイクからスタートしました。それぞれの専攻や興味関心について話すうちに共通点が見つかり、自然と会話が弾むようになりました。自己紹介が終わる頃には、メンバー同士が打ち解け、活発な意見交換ができる雰囲気が生まれていました。

(2)PBLへのマインドセット/参加目的の整理

PDCAサイクルや、チームワークについて確認しました。本プログラムでは、限られた時間の中で個人のアイデアを活かしながらも、チームとしてより質の高い提言を行うことが求められます。
そのため、メンバー間でどのように現状認識を揃えるか・効果的な提言とは何か・聞き手に価値を伝えるためのポイントは何か、といった点を確認しました。


▼ヒアリング(10月21日)※オンライン

ヒアリングの様子

湯河原町観光課長にご参加いただき、町の基本情報や観光の現状についての説明がありました。

特に、観光客の増減に影響を与えている要因や、ターゲット層の変化、地域資源を活用した観光施策の現状について詳しく触れていただき、学生たちは熱心にメモを取りながら耳を傾けていました。また、コロナ禍を経た観光業の回復状況や、インバウンドの動向についても解説があり、学生たちは実際のデータを基に現状を把握する機会となりました。

質疑応答の時間では、学生からこの日までの事前調査の内容を踏まえ、観光客のリピーター率や湯河原町のPR戦略など、多岐にわたる質問が寄せられました。

▼現地調査(11月5日~6日)

湯河原駅にて同町観光課長からの説明を受ける様子

11月5日から6日にかけて、事前に立てた調査計画に基づき、湯河原町での現地調査を実施しました。現地の雰囲気を直接感じ、地域の課題をより深く理解するための貴重な機会となりました。

現地調査の大きな目的の一つは、湯河原町に関わる方々の「生の声」を直接聞くことでした。学生たちはグループごとに分かれ、観光施設のスタッフ、地元の商店の方々、訪れている観光客などにインタビューを実施しました。現地の雰囲気を直接感じ、地域の課題をより深く理解するための貴重な機会となりました。

学生からは「観光客目線だけでなく、町の住民の視点を考える必要性を感じた」といったコメントもあり、現地調査によってさらに理解が深まった様子でした。



▼最終プレゼン(12月16日)

優秀チームに選ばれたA班の発表の様子

湯河原町防災コミュニティセンターにて、湯河原町商工会長、湯河原町温泉旅館協同組合理事長、湯河原駅長、同町観光課職員など同町関係者9人と、神奈川県の県西地域を担当する県庁職員らを前にプレゼンテーションを行いました。
当日の様子や湯河原町関係者からのコメントはMEIJI NOWにてご覧いただけます。
MEIJI NOW│湯河原町で観光関係者に施策を提言(文学部)



参加学生の声

○文学科2年生
このPBLで大変だったことは、グループとしての共通認識をつくることだ。湯河原を実際に訪れた外国人をどのようにして楽しませるか、当初班員各自が意見をもっていたために班としてはまとまりを欠く内容だった。そこで、観光客の行動パターンから、その案がどの段階にアプローチする策なのかを位置づけたことで提案としての一貫性をもつことができた。
また、今回のPBLで学んだことは、このような課題解決型の学習においては、具体的な提案にまで踏み込んだ仮説を立てて、それを適宜実現可能性に照らして修正することが重要であるということだ。仮説をPDCAサイクルに基づいて見直すことで、現地調査においても自分たちが調査すべきことが明確になり、現地の声に根ざしたプレゼンにすることができると感じた。

○文学科2年生
調査に行く前になんとなくこのような政策がいいのではないかとイメージはしていたものの、実際に湯河原に行くとありきたりな政策では解決できないと感じた。自分が頭に浮かべていた観光政策と、実際に現地調査して実感した現状の観光政策問題とのギャップを埋めていくのはとても難しかった。

○史学地理学科2年生
班員4人が全員異なる専攻だったのもあって授業がない空いている時間などとにかく予定が合わず、思うように話し合いが進まなかったり、連絡がうまくいかなかった為に予定通りの進行ができなかった時もありました。対面で会えなくても、可能な限りの頻度で作業の進捗確認をしたりリモートで会議を行う等工夫をして乗り越えました。
また、班で一つのものを作るには、多少大変であっても根気強く話し合いと修正、ブラッシュアップを重ねていくことが結局は1番の近道であり、各自担当する仕事へのモチベーションや作業量に差が出ないようにまずは自分が先陣を切ってしっかりと仕事をこなす事が必要となることを実感しました。