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【文学部独自のキャリア支援】海外現地研修(ベトナム)を実施しました

2025年度海外現地研修A(ベトナム)

文学部では教員引率による海外での現地研修を奨励しており、夏季休業期間等を利用して、世界各国(主にヨーロッパ、アジア)にて集中授業科目「海外現地研修」を実施しています。各国の様々な大学や地域を訪れるだけでなく、海外の協定校での学びや、学生との交流を実施しているプログラムもあります。

2025年度には、キャリア支援を目的としたベトナム・ホーチミン市での現地研修を実施しました。詳細は以下のとおりです。

研修名 海外現地研修A(ベトナム)
事前研修 5月24日
7月5日
8月29日
派遣期間 9月8日~9月14日
参加学生 13名(うち1年生6名、2年生2名、3年生4名、4年生1名)
引率・協力 明治大学文学部教員1名及び職員1名
ライトハウス・キャリアエンカレッジ株式会社(プログラム設計)
G.A.コンサルタンツ株式会社(現地コーディネート)
ホーチミン市外国語情報技術大学(HUFLIT)
明治大学サイゴン紫紺会

【プログラムの目的】
ベトナムでのフィールドワークや現地の人々との交流を通じて、日本人とベトナム人の労働観や価値観の違いを理解し、自身にとっての「働くことの意義」について考える。

【概要】
参加学生は4~5名ずつのチームに分かれ、事前研修の一環として、身近な社会人を対象に「働くことの意義」に関する調査を行います。ベトナム到着後は、現地大学の学生が各チームに加わり、ベトナム人にとっての「働くことの意義」について共同でリサーチを実施します。
その後、日本人とベトナム人の価値観の違いを整理したうえで、自分たちなりの「働くことの意義」をまとめ、チーム及び個人単位でプレゼンテーションを行います。
また、現地在住の社会人、明治大学OBとの交流イベントも実施され、参加者それぞれが自身のキャリア形成について考えるための機会を提供します。
 

▼事前研修内容

出発前には、3回にわたり事前研修を行いました。ベトナムの歴史や環境についての基礎知識の習得、海外生活での危機管理に関するオリエンテーションに加え、身近な社会人を対象とした「働くことの意義」についての調査及び報告、現地でのリサーチに使用するアンケートの作成等を実施しました。
意識調査やアンケートの作成は、4~5名ずつのチームに分かれて行いました。

現地研修では、それぞれのチームに交流先である「ホーチミン市外国語情報技術大学(以下、HUFLIT)」の学生2名が加わり、合同で活動を行います。
7月からはベトナム人メンバーとのオンラインでの交流が始まり、互いに親睦を深めていきました。

▼現地研修内容

9月8日(1日目)
現地時間15時頃にタンソンニャット国際空港に到着し、滞在先のホテルへ移動後、本研修の現地コーディネートを担当するG.A.コンサルタンツ社スタッフによるオリエンテーションが行われました。
9月9日(2日目)

クチトンネル訪問の様子

ホーチミン市内及びその近郊にあるサイゴン中央郵便局、聖母マリア教会、ベンタイン市場等の主要名所の観光に加え、戦争証跡博物館や、ベトナム戦争における主戦場の1つであるクチトンネルを訪問しました。
ベトナム戦争の被害と現代まで続くその影響について学ぶことが、ベトナム人にとっての働く意義についてより深く考察をするうえで助けとなります。
9月10日(3日目)

大学紹介プレゼンテーション G Plus Manpowerでの交流の様子 サイゴン紫紺会との懇親会

本研修で活動を共にするHUFLITとの交流プログラムが実施されました。
明治大学及びHUFLITのスタッフによる挨拶の後、両大学の学生がそれぞれの国の文化や所属大学の特徴を紹介するプレゼンテーションを英語で行いました。
交流プログラム終了後、HUFLITの学生が各チームに加わり、リサーチに向けた準備を開始しました。
 
午後には、ホーチミン市内の日本語学校である「G Plus Manpower」を訪問し、授業見学や、技能実習生候補の学生との交流・リサーチを行いました。
 
その後、ホーチミン市近郊在住の明治大学OBで構成された組織「サイゴン紫紺会」との懇親会が開かれました。当日は、同時期に授業の一環でベトナムに滞在をしていた国際日本学部の学生も合流し、両学部の学生及び教職員、サイゴン紫紺会メンバーの計40名近くが参加する盛会となりました。現地で活躍するOB・OGの生の声を聞くことで、学生にとって、日本国内に留まらないキャリア形成を自分事として考える貴重な機会となりました。
9月11日(4日目)



孤児院の子どもたちとの交流の様子

午前中はチームごとにホーチミン市内でリサーチを行い、午後にはホーチミン市を代表する孤児院である「Ky Quang Pagoda」を訪問し、子どもたちとの交流及びリサーチを実施しました。
事前研修の段階からチームごとに準備を進めていた折り紙等のアクティビティを通じて子どもたちと触れ合い、言葉の壁を越えて次第に打ち解けていく様子が見られました。
9月12日(5日目)

最終プレゼンテーション プレゼンテーション終了後の集合写真

午前中にHUFLITの学生を対象とした最終リサーチを実施し、午後には最終プレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションは各チーム10分間で行われ、リサーチの内容と結果、得られた気づきの共有に加え、チームごとに導き出した「働くことの意義」が発表されました。
 
また、チーム発表に加えて個人発表も行われ、学生一人一人が、自身にとっての働くことの意義と帰国後の目標を1分間で発表しました。いずれの発表も英語で作成した資料をもとに行われ、家族のために主体的に働くベトナム人の前向きな労働観に強い影響を受けた学生が多く見られました。  
 
明治大学・HUFLITの双方の教員から各チームの発表へフィードバックが行われ、教員・学生の投票のもと、最も優秀なチーム発表に送られる「ベスト働く意義賞」が決定し、記念品が授与されました。
9月13日(6日目)

キャリアフォーラムの様子

午前中には、現地企業で働く邦人ビジネスパーソン3名によるキャリアフォーラムを実施しました。終始和やかな雰囲気の中で、現地で働くやりがいや苦労、海外で働くことを決意した経緯等について、学生との質疑応答が行われました。キャリアフォーラム終了後はビジネスパーソンを交えたランチ会も開かれ、交流を深めました。
 
午後には、HUFLITの学生と合流し、チームごとに市内観光を行いました。その後、タンソンニャット国際空港へ向けて出発しました。
9月14日(7日目)
午前9時頃に成田国際空港に到着し、全日程を無事に終えて解散となりました。

▼研修を終えて

研修終了後に実施をしたアンケートでは、「現地で出会う人々との交流を通じて、自分の視野を広げられた」との声が多く寄せられました。
特に、生まれ育った環境が大きく異なる日本語学校の生徒たちや孤児院の子どもたちとの交流は、参加学生にとっての「働く意義」を考えるうえで、大きな糧となりました。
 
文学部では、2026年度以降も引き続き海外現地研修を実施予定です。