水槽に水を張って温めます。一定の温度差になると対流があちこちで同時に生まれ、さまざまなパターンを作ります。これがどのように競合するか計算すると最終的なパターンが導かれます。世の中のさまざまなパターンは、この分岐理論を使って解析することができます。
2次方程式なんて役に立たないと言われる方もあります。しかし皆さんもきっと自然界の美しい模様に目を奪われたことがあるでしょう。これらのうちいくつかは2次方程式の解の正負と密接に関係しています。数学的な構造は本来とても身近な存在なのです。例えば微分方程式は物理的にどんな意味があるのかという問題意識を養うため、現象数理学科では化学反応や電子ホタルを作って実験を行います。化学反応でも電子ホタルでも数学的には非常に似通った原理で振動を発生させることができます。したがって同じような原理で周期や明滅パターンを調整させることもできます。この解析に使われるのが微分方程式です。
下敷きに力を加えるとどのような形に曲がるのでしょう。この学科では数学の基礎を学びつつ、他分野の現象を数学的に理解することに主眼を置きます。大切なのは数学も物理も身の回りで起きている現象であるという現実感を持つことです。