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情報コミュニケーション
学部

新潟県津南町での活動について(情報コミュニケーション学部・川島高峰ゼミナール)

2026年02月20日
明治大学 情報コミュニケーション学部

津南町編
 情報コミュニケーション学部・川島高峰ゼミナールは一極集中問題に取り組んでおり、地方における地域課題や所謂「地方創成」に関する実習はゼミの重要な課題である。
 川島ゼミナールでは新潟県の佐渡市、津南町、南魚沼市にて3つのプロジェクトを実施している。それぞれが持つ地域に固有な課題から、地方の経済・社会・文化の多様性を学んでいる。
 新潟県津南町では2024年から研修プログラムを実施している。町は「農をもって町是」としており、その歴史は大規模な河岸段丘での農地開発の歴史であり広大な水田と圃場が整備されている。縄文時代以来の生活文化が今日においても語られ、河岸台地を東西・南北に切り裂く河川は東日本と西日本の、表日本と裏日本の文化の分水嶺をなしている点で非常に興味深い。隣接する十日町市とは有名な「大地の芸術祭」を共催している。
 昨年は同町の地域課題全般に関する総合的なブリーフィングを実施していただき、これらをもとに本年は、移住者として地域課題に取り組む「地域おこし協力隊」の方5名に対するヒアリングや、彼らの活動する集落での行事への参加などの実修を行った。参加学生は分析ゼミナール3年生の学生4名と入門ゼミナールの学生1名により、以下の日程で研修を実施した。

 6月25日 リモート移住者インタビュー(照井氏)、実地調査に向けた役場との調整
 8月19日 第一回実地調査開始、町内視察(雪室、住宅地、役場等集落の立地)
 8月20日 町内視察、集落見学、
 8月21日 第一回実地調査終了、実習の振り返りとしての報告会・意見交換会
 9月22日 第二回実地調査開始、移住者インタビュー(照井氏、緒方氏)、町内視察、 
 9月23日 地域コミュニティ(祭り)への参加、移住者インタビュー(永井氏、増岡氏、阿久津氏)
 9月24日 意見交換会、第二回実地調査終了

津南班 活動とりまとめ・神山颯太(3年生)
 津南町での実習を通して、私は都市では感じることのできない地域コミュニティの在り方と、地域おこし協力隊の方々の生の声に触れ、地方で暮らすことの意味を深く実感した。特に印象的であったのは、地域住民同士の距離の近さと、互いを自然に支え合う関係性である。
 船山神社の伝統祭りでは、数百年続く行事に地域の方々が世代を越えて関わり、神輿を担ぎながら声を掛け合う姿が見られた。担い手不足やコロナ禍の影響を受けながらも、祭りを絶やさないために地域全体で工夫し支え合う様子は、都市では失われつつある「顔の見えるつながり」を象徴していると感じた。祭りや交流拠点での何気ない会話の中にも、住民同士の信頼関係が日常に根付いていることが伝わり、コミュニティが地域を支える土台になっていることを肌で感じた。また、こうした関係性の中では、一人ひとりが地域の一員として役割を持ち、互いを気遣いながら暮らしていることが自然に受け入れられており、その姿は都市生活ではなかなか経験できないものだと強く印象に残った。
 もう一つ強く印象に残ったのが、地域おこし協力隊として活動されている方々の生の声である。事業承継の支援、観光のあり方、協力隊と行政の関係づくり、そして定住だけにとらわれない関係人口の創出など、実際の現場で向き合っている課題や取り組みについて率直な話を伺う中で、地域づくりが決して簡単なものではないことを実感した。同時に、目の前の人や地域の未来を自分事として捉え、試行錯誤を重ねながら町を良くしようとする強い覚悟と責任感が伝わってきた。机上の政策や制度論だけではなく、現場で悩み、考え、行動し続ける人々の存在こそが地方創生を支えているのだと実感することができた。
 今回の実習を通して、地方の魅力とは単なる自然環境や観光資源だけではなく、人と人とのつながりと、地域を想い行動する人々の存在そのものであると気づいた。津南町で出会った人々の姿は、これからの社会において地域とどう関わっていくべきかを考える上で、大きな示唆を与えてくれた。この学びを今後のゼミ研究はもちろん、自身の進路選択や生き方にも活かしていきたいと考えている。

集落の祭りで御神酒の樽酒の奉納に参加


コワーキング・スペースで調査結果を分析・整理

  
船山神社にて青年団の皆さんと祭礼の記念撮影


お祭りで地域の方と懇親会


地域おこし協力隊員の方にインタビュー