情報コミュニケーション学部・今村哲也ゼミナール(問題分析ゼミ、3年生)では、2026年2月23日から26日にかけて、台湾(台北市)において海外実習を実施しました。本実習は、台湾の研究者との継続的な学術交流を基盤に、日台の知的財産法制度の比較および生成AIをめぐる法的課題について議論を深めることを目的として行われました。
国立台湾大学で日台ワークショップを開催
2月25日、国立台湾大学霖澤館にて「Taiwan-Japan Workshop on Intellectual Property Right & Generative AI and Copyright」を開催しました。本ワークショップは、国立台湾大学法律学院科技倫理・法律センター、明治大学、東洋大学、中華民国経済部智慧財産局の共同主催により実施され、台湾側からは国立台湾大学、国立台北大学、国立政治大学などの教員・学生が参加しました。
午前の部では、日台双方の学生による研究報告が行われました。台湾の学生からは、EU著作権指令における適正報酬、生成AIとフェアユース、特許法上の進歩性判断、AI音声変換技術の法的課題など、多角的なテーマが報告されました。
明治大学からは、田中怜さん、古屋宏樹さん、太田修平さんが登壇し、「How to Survive in the Information Society! Basics of Intellectual Property Learned in 1 Minute」と題して発表しました。
発表では、若年層への知的財産教育の新たなアプローチとして、1分間のショート動画による啓発モデルを提示。ゲーム機器の利用規約とファン活動の境界、テレビ番組フォーマットと著作権、生成AIによる音楽制作をめぐる議論などを具体例に、法理論と実社会の接点を分かりやすく紹介しました。
質疑応答では台湾の学生・教員から積極的な質問が寄せられ、法制度の違いのみならず、文化的背景や社会的受容の差異についても議論が交わされました。
教員による研究報告と国際的討論
午後の研究者セッションでは、今村哲也教授が「The Legal Defense of Voice in the AI Era」と題して報告を行いました。生成AIによる音声クローニングの拡大を背景に、パブリシティ権および不正競争防止法を活用した重層的保護の可能性について論じ、日台比較の視点から活発な討論が行われました。
生成AIという急速に発展する技術と知的財産法の関係について、日台双方が共通の課題意識を共有する貴重な機会となりました。
文化・歴史を通じた学び
実習期間中は、中正紀念堂、龍山寺、台北101などを訪問し、台湾の歴史・政治・都市発展について現地で解説を行いました。蒋介石像や建築様式、都市開発の象徴としての台北101などを見学し、法制度を取り巻く社会的・歴史的背景について理解を深めました。
学問的議論と文化体験の双方を通じて、学生たちは国際的視野を広げ、比較法的思考を実地で体験する機会となりました。
【写真】
写真1:国立台湾大学(霖澤館第1会議室)
写真2:ワークショップ後の集合写真
写真3:中正紀念堂
写真4:台北101