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国際日本学部

山脇ゼミ有志が日韓大学生国際セミナーに参加しました

2019年07月16日
明治大学 中野教務事務室

韓国・淑明女子大学でのセミナー韓国・淑明女子大学でのセミナー

安山グローバル多文化センター安山グローバル多文化センター

安山市外国人住民支援本部安山市外国人住民支援本部

高楊市「世界人の日」のイベント会場高楊市「世界人の日」のイベント会場

明治大学でのセミナー明治大学でのセミナー

しんじゅく多文化共生プラザでの李承珉氏の講演しんじゅく多文化共生プラザでの李承珉氏の講演

江戸川印度文化センターでのよぎ議員の講演江戸川印度文化センターでのよぎ議員の講演

山脇ゼミの参加メンバー(韓国・仁川空港にて)山脇ゼミの参加メンバー(韓国・仁川空港にて)

国際日本学部山脇啓造ゼミの6名(4年生3名、3年生3名)が、社団法人・韓日未来フォーラム主催の日韓大学生国際セミナー「日韓両国の移民問題とグローバル協力」に参加しました。

当セミナーでは、韓国から淑明女子大学6名と梨花女子大学1名の学生が、日本からフェリス女学院大学国際交流学部の金香男ゼミ2名と山𦚰ゼミ6名の学生が参加し、日韓両国の外国人受け入れについて報告と討論を行い、またフィールドワークを通して両国の多文化共生の現状について理解を深めました。2019年5月17日から18日にかけて韓国で、6月28日から29日にかけて日本で開催されました。

韓国では、淑明女子大学(ソウル市)にてセミナーを行い、オ・ジョンウン漢城大学教授の「移民分野における国際協力」と題した基調講演の後、4大学の学生が、日韓それぞれの外国人受け入れに関して報告し、理解を深めました。山𦚰ゼミの学生3名は、日本における外国人受け入れ(新たな外国人労働者の受け入れ制度、多文化共生の学校づくり、中野区における山𦚰ゼミの活動)について報告しました。

また、韓国で最も先進的な多文化共生の取り組みを進める安山市(京畿道)にある安山グローバル多文化センターや安山市外国人住民支援本部を訪問し、韓国の外国人受け入れの取り組みについて学びました。さらに高揚市(京畿道)で、5月20日の「世界人の日」に合わせて行われたイベントの視察も行い、実際に外国人住民がどのように受け入れられているのか体感することができました。「世界人の日」とは「国民及び在韓外国人が互いの文化と伝統を尊重しながら共生できる社会環境を醸成する」(在韓外国人処遇基本法19条)ことをめざした記念日です。

日本では、山脇ゼミとの共催により、明治大学中野キャンパスにてセミナーを行いました。山脇啓造教授の「日本における新たな外国人労働者の受入れと日韓交流・協力の可能性」と題した基調講演の後、韓国でのセミナーと同様に、4大学の学生が報告しました。山𦚰ゼミの学生3名は、日本における外国人受け入れ(外国人技能実習制度、日本語学校の現状と課題、そして外国人留学生の就職支援)について報告しました。

また、多文化共生に取り組む日本の自治体のフロントランナーである新宿区の「しんじゅく多文化共生プラザ」を訪問し、新大久保語学院の李院長から、大久保地区における外国人住民の増加と多文化共生の取り組みの歴史についてお話を伺いました。そして江戸川印度文化センターも訪問し、江戸川区議会議員であるよぎ(プラニク・ヨゲンドラ)氏より、多様な文化をもった人々がお互いを理解し、共生するにはどうしたらいいのか、お話を伺いました。よぎ議員は、日本初のインド出身の議員で、全国的に注目を集めている人物です。

日韓関係が芳しくない中で、両国の学生が交流し、お互いを理解し、未来について考えた今回のプログラムは、これからの日韓両国にとっても有意義な機会であったと思います。以下、セミナーに参加した山𦚰ゼミ6名の感想です。

「移民問題、多文化共生政策に関して、日韓が協力していけることが分かった。その中で、両国の違いとして印象的だったのは、韓国には多文化共生に関する法律が存在し、日本は遅れを取っているという点だったので、日本における法律の制定に今後注目していきたい。」(4年 芦田祐夏)

「移民問題と多文化共生というテーマの下、日韓両国の現状と課題を理解するとともに、両国の未来について考えることができた。韓国に比べて、日本は国の対応が遅れていることを学んだが、それだけではなく、私たち受け入れ側の国民や自治体が協力することも必要であると思う。そして、芳しくない日韓関係を話し合いや交流を通して改善し、お互いの未来のために協力関係を強めていけるとよい。」(4年 天野綾香)

「日本の多文化共生を学んでいる立場として、隣国である韓国の外国人受け入れに関する現状や取り組みについて、実際に身をもって感じ、学べたことはとても貴重な機会であった。今後もこのような機会を積極的に持ち、交流を通して、両国ともに学び合える良い関係を構築していきたい。」(4年 西村真由)

「今回のセミナーを通して両国の多文化共生の未来について考えてみた。政策も重要であるが、受け入れ側の外国人に多くの支援が届くように自治体や市民が頑張る必要を実感した。今後、日本と韓国の外国人受け入れに関する多文化発展に注目したいと思う。」(3年 李承注)

「通訳を交えた臨場感のある討論を体験したり、先進の外国人受入れの現場や多文化理解のイベントに足を運んだりと、大変有意義な時間を過ごした。日韓関係が芳しくない現状の中で、今回のように学生同士が交流を深め、互いの国について知る機会を更に増やせたらと思う。」(3年 小路菜々実)

「今回のセミナーでは、日韓の学生がお互いの国に足を運び、多文化共生プラザを訪問したり、多文化共生のイベントに参加し、まちを歩き回ったりすることで、両国の多文化共生への取り組みを多面的に知ることができた。また、学生同士の交流で言葉の壁はありながらも、移動中や食事の場で話をしたり、簡単な手遊びなどをしたりして、とても有意義な時間を過ごした。この経験をきっかけに、これからも国境を超えた交流を続けていきたい。」(3年 中川由梨)

最後に、日韓両国におけるセミナー全体のコーディネートを行っていただいた韓日未来フォーラム理事の梁起豪聖公会大学教授に深く感謝申し上げます。

(文責:天野綾香・西村真由)