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国際日本学部

国際日本学部山脇ゼミが中野区の職員研修で「やさしい日本語」のワークショップを担当しました

2021年08月19日
明治大学 国際日本学部

 山脇ゼミは、2021年8月10日に中野区職員を対象とした「やさしい日本語」の研修会の講師を担当しました。研修は、前半に山脇啓造教授の多文化共生についての講義と、後半にゼミ生によるやさしい日本語ワークショップを行い、約40名の職員にご参加いただきました。中野区国際交流協会と出入国在留管理庁のやさしい日本語担当の職員5名も参加されました。

「多文化共生のまちづくり」を研究テーマとする山脇ゼミでは、2018年度から「やさしい日本語」の普及活動をしています。やさしい日本語とは、誰にとってもわかりやすいように、敬語や熟語を避けて簡単に表記したり、話したりする日本語のことです。

今回のやさしい日本語研修では、2020年8月に出入国在留管理庁と文化庁が公表した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」と、ゼミ生が作成したオリジナルの練習問題プリントを使用し、ガイドラインのステップに沿いながら、難しい日本語を簡単に言い換えていくワークショップを行いました。

一人一人が考えた解答をグループで共有し合う時間には、とても活発な意見交換がみられ、ゼミ生自身もこちらの言い換えのほうがいいなと感じたり、こういう点の言い換えが難しいかもしれないと、気づくことが多くありました。どの職員の方も、真剣に創意工夫を重ねて「やさしい」言い換えを考えられている姿が印象的でした。コロナ禍での多様な住民に対する対応も課題となっている区役所職員にとって、「多言語化」だけでなく「やさしい日本語」も必要なツールとなってきていることを感じました。

これまでにも山脇ゼミは、中野区の商店街や株式会社丸井グループの社員に向けて「やさしい日本語」のワークショップを開催してきており、自治体職員の研修を担当するのは昨年度の豊島区に引き続いて、今回で2回目でした。2013年度から中野をフィールドに活動を始め、区役所との連携を深めてきた山脇ゼミが、中野区の信頼を得て、多文化共生研修を担当できたことは意義深いものでした。

相手に配慮した「優しい」気持ちで伝える意味も込められた「やさしい日本語」は、外国人だけでなく、様々な人と接するときに大切になるマインドでもあります。日々住民と近い立場で接する必要のある自治体職員の方々が、やさしい日本語を業務で使いこなしていけばいくほど、この「やさしい日本語のマインド」は社会に広まっていくのではないかと思います。この研修が、より多くの行政関係者に「やさしい日本語」が広まるきっかけとなり、思いやりに溢れた社会の実現へとつながっていければ嬉しいです。
(山脇ゼミ4年 塚田百音)