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国際日本学部

山脇ゼミが外国人在留支援センターを訪問しました

2021年09月17日
明治大学 国際日本学部

FRESCの大会議室にてFRESCの大会議室にて

FRESCのオフィスにてFRESCのオフィスにて

多文化共生をテーマに活動する山脇ゼミが、9月3日に外国人在留支援センター(FRESC、東京都新宿区)を訪問しました。このセンターは、日本政府が全国の外国人住民の支援を行う拠点施設として2020年7月にオープンしたもので、法務省、厚生労働省、経済産業省、外務省関係の8機関が入居しています。具体的には、外国人からの相談対応、外国人支援に取り組む地方公共団体の支援、外国人を雇用したい企業の支援などの取組を行っています。

今回の訪問が実現したのは、7月に山脇ゼミが外国人住民への情報提供をテーマに主催した「中野区長と外国人留学生の懇談会」に田平浩二同センター長を来賓としてお招きしたところ、懇談会の内容を評価していただき、懇談会終了後に田平センター長からお誘いを受けたことがきっかけでした。

センターでは、まず大会議室でコロナ対策のために十分な距離を確保した上で、田平センター長から、FRESC及び出入国在留管理庁(入管庁)の取り組みについてご説明をいただきました。次に、FRESCのオフィスの中をご案内いただきました。その時に、外国人への法的サポートを行う日本司法支援センター(法テラス)の国際室長の冨田さとこさんにお会いすることもできました。

最後に、もう一度、大会議室に戻り、入管庁が作った「外国人生活支援ポータルサイト」や「生活・就労ガイドブック」について、学生たちが評価できる点や改善すべき点について意見を発表し、その後、田平センター長他スタッフの皆さんと活発な意見交換を行いました。

以下、参加した学生の感想です。

昨年できたばかりの外国人在留支援センターは、行政サービスでは珍しく様々な省庁機関がワンフロアに集約されているので、便利で相談しやすい環境だと感じました。在留外国人が抱えている悩みや問題の多くは、複層的に絡み合い、多様な方向性からアプローチしていかないと根本的には解決できないものです。このような包括的なセンターは今後の在留外国人支援のみならず、地域包括ケアシステムへのロールモデルにもなるのではないかと感じました。今回、法テラスの冨田さんにも少しお話を伺った際、在留資格のことや労働関係で不利益を被っている人には、法律相談(多言語での)が非常に重要になることを知り、もっと外国人が気軽に法律相談ができる体制を強化するべきだと感じました。中野では月1~2回は国際交流協会で、法律相談があったりしますが、これは拡充していく必要があると思います。FRESCがより多くの外国人に周知してもらえるように地方公共団体は努力する必要がありますし、また、既存の外国人コミュニティへの広報も非常に重要になると思います。(4年 塚田百音)

たくさんの部署が1フロアに収まっていること、それぞれが連携をとって業務を行っていることに感動いたしました。部署ごとに大きな仕切りはなく、全体的に開放的な雰囲気があったため、連携しやすいように工夫されていることを感じました。特に、相談室に関して、通訳電話が設けられていたり、必要に応じて専門の職員が同席できるようになっていたりして、多様な連携システムが整っているように感じました。一方で法テラスを訪問した際には、通訳人材が足りないという問題も伺いました。安定して仕事を供給できないことや、研修の長さなどが課題であると知りました。遠方から通い、研修に熱心に参加する方もいるとのことで、いかに通訳不足を周知し訴えかけるかが大事だと考えました。ポータルサイトやガイドブックについては、私たち学生の意見を全て熱心に受けとめてくださり、嬉しく感じました。サイト上での言語の切り替えについて改善点を挙げた際は、連携している他サイトとの設定の違いから対応しきれない点もあると知り、全体的に連携してこうした取り組みを進める重要性を改めて感じました。今回の訪問は全職員の方の熱意を感じ、大変刺激的でした。外国人視点からのサイトの改善点を知りたいとおっしゃっていたので、そのような点でもゼミで貢献していけたらと思います。(3年 土橋成実)

FRESCがあるビル自体がとても新しく綺麗なビルで、中に入っても明るく開放的な場所であったことがとても印象的でした。不安を抱えながら生活している外国人に安心して気軽に相談に来てもらうためには、綺麗で明るく雰囲気が良いということはとても重要なことだと思います。その点FRESCは気軽に立ち寄りやすい場所であるのではないかと感じました。また多様な省庁機関が集まっており、部署を超えて職員の方同士のコミュニケーションが取りやすい環境であったと思います。そのようにいろいろな機関が集まっている場所というのは、職員の方々の情報交換に役立つだけでなく、FRESCを訪れる方にとっても幅広い相談を受けてもらうことができるため、ここに一度相談してみれば何らかの方法で話を聞いてもらえるという安心感が生まれるのではないかと感じました。FRESCのような画期的な支援センターや生活ガイドブックの存在などの情報が必要な人に届くよう、山脇ゼミの一員として今後もできることを行っていきたいと思います。(3年 田中柚希)

FRESCはさまざまな行政機関が同じフロアにあり、お互いに連携し合っている全国的にも珍しい場所だということがとても印象に残りました。相談内容によっては、複数の機関の職員が同席して話をすることもあると知り、相談者に寄り添った理想的な形が築かれているのだと感じました。何か困ったことがあったら、FRESCに行けば色々な方面から考えて対応してもらえるから安心だという認識が広がっていくことが、FRESCの良さをもっと活かすことに繋がるので、発信していく力添えができたら良いなと思います。また、ガイドブックやポータルサイトをより分かりやすくするために大幅な改訂を行う予定があったり、私たち学生の考えも真剣に聞いてくださるなど、どのようにすれば情報を分かりやすく伝えられるかに取り組んでいる様子が素晴らしく感じられました。(3年 古賀朝子)

FRESCで、外国人支援に関するさまざまな部署が一括にまとめられていて、とても驚きました。日本でこのような先進的な取り組みがあることを初めて知ったためとても勉強になりました。場所的なつながりがなくなったことで、何度も役所を行き来することが減っている現状に魅力を感じたと同時に、このような取り組みが全国に広まってほしいと強く感じました。さらに、コロナ禍においてオンラインでのコミュニケーションも一気に広まったことを活かして、場所的な制約だけでなく、オンライン上でのコミュニケーションも活発になったらいいと思いました。今後もこの素晴らしい取り組みに倣って私たちも一生懸命活動していきたいと感じました。(3年 野田鈴夏)