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国際日本学部

国際日本学部 山脇ゼミが「やさしい日本語」をテーマにしたミュージック・ビデオの制作に協力しました

2021年09月30日
明治大学 国際日本学部

明治大学国際日本学部の山脇啓造ゼミは、9月30日にYouTubeで公開されたミュージック・ビデオ「やさしい せかい」の制作に全面的に協力しました。




<手話付き版>
https://www.youtube.com/watch?v=tUr0LcsLGuI

このビデオは、電通ダイバーシティ・ラボの「やさしい日本語ツーリズム研究会」(吉開章代表)が制作したもので、国際交流基金が後援しています。

本楽曲では、日本語の難しさや外国人が日本で暮らす中での壁、また視覚・聴覚障害者の思いをラップ調に歌いつつ、サビでは「やさしい日本語」について、そして言葉だけでなく違いを認め合う心についても歌っています。やさしい日本語とは、簡単な語彙や文法、構文を用いた、誰にとってもわかりやすい日本語のことです。

歌っているのは、ゼミ生など明治大学の学生や中野区にあるイーストウエスト日本語学校の学生です。また、ミュージック・ビデオでは、視覚・聴覚障害のある方々にも出演していただきました。ビデオの撮影は、明治大学中野キャンパスで行われました。

山脇ゼミでは、2018年度からやさしい日本語の中野区内外での普及に取り組んできました。日本政府も昨年度、「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」を策定し、全国の行政関係者への普及に取り組むなど、やさしい日本語普及への社会的気運が高まりつつあります。

山脇教授は、政府のガイドライン策定のための有識者会議で座長を務めましたが、昨年12月そして今年8月には、豊島区や中野区の職員研修で、山脇教授が講義を行った後、ゼミ生がやさしい日本語のワークショップを実施しました。山脇ゼミでは、担当教員と学生が二人三脚で、やさしい日本語の普及に取り組んでいるといえます。

そして、今回、山脇ゼミはミュージック・ビデオの制作に挑戦しました。これまで、多種多様な活動をしてきた山脇ゼミですが、音楽プロジェクトに取り組むのは初めてであり、私自身、このような機会に参加できたことは感慨深いです。この楽曲をきっかけに、一人でも多くの方がやさしい日本語に興味を持ち、多文化共生のまちづくりが前進することを願います。

なお、国際交流基金では、山脇ゼミと協働し、世界の日本語学習者による替え歌動画のコンテストを開催する予定です。

ミュージック・ビデオに出演した学生と山脇啓造教授のコメントは以下の通りです。

「初めてこのラップを聞いた時、鳥肌が立ち、とても感動しました。大切な思いと大切なメッセージが一つ一つの言葉に込められていて、心を打たれました。世界は広く、色々な人がいます。お互いに優しい気持ちを持って支え合うことは、平和な世界を作るためにとても大切です。この曲が世界中の方に届くことを願っています。」    (2年 ラーマ・ジャマール・アルディーン)

「プロの方々と共に自ら作詞と撮影に参加して一つの作品を作れたことは、自分の人生の中でもとても貴重な体験で楽しかったです。作品を作り上げる中で外国人の方々や障がいのある方々と実際に話す機会も多くあり、自分の中で多文化共生について改めて深く考えることができました。この体験を今後のゼミ活動にも活かしていきたいです。」(3年 盛永樹)

「レコーディングや撮影をプロの方が手掛けてくださり、学生だけではできないような、とても貴重な経験ができました。また、新たな出会いもたくさんあって嬉しかったです。
この曲が今まで「やさしい日本語」を意識していなかった人たちにも届き、皆が暮らしやすいまちをつくることに少しでも繋がったらいいなと思います。」(3年 大島沙也)

「撮影を通して改めてやさしい日本語について考えるきっかけになりました。やさしい日本語は日本人と外国人の共生の観点だけでなく、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方にも通じるメッセージとして、どんどん発信を続けていきたいと思いました。」(3年 野田鈴夏)

「この動画を通じ、世界中の日本語学習者の方が少しでも日本語を学ぶことが楽しくなることを願っています!」(3年 佐藤優香子)

「このプロジェクトには多様なバックグラウンドを持つ方が関わって作られており、この動画こそがまさに日本のダイバーシティを表していると思います。この動画を通して、多くの人にやさしい日本語のみならず、日本のダイバーシティについて考えるきっかけになると嬉しいです!」(4年 塚田百音)

「やさしい日本語とラップという新しいコラボに関わることができ、とてもいい機会になりました。自分自身もこの企画を通して、様々な出会いと発見があり充実した時間になったと感じています。」(4年 菊島百佳)

「撮影日、周りに心配をかけてしまうほど緊張しました。大変でしたが、このような企画に携われたことを嬉しく思います。この動画がやさしい日本語に対する関心の向上に寄与するだけでなく、多様なバックグラウンドを有する方々との適切なコミュニケーションの在り方を考えるきっかけにもなればなと思います。」(国際日本学研究科 ケフィン・センドウ)

「山脇ゼミでは、フォーラムやワークショップ、プレゼン大会の開催や動画の制作などを通じて、多文化共生のまちづくりに取り組んできましたが、今回、音楽という新ジャンルに挑戦しました。コロナ禍によって、撮影に制約がかかるなど困難に見舞われましたが、学外の多様な団体とのコラボで完成度の高い作品ができ、感無量です。」(山脇啓造教授)
                                                                                     (3年 日高悠希)