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国際日本学部

中野区長とセブン-イレブンで働く外国人スタッフのミーティングに山脇ゼミが協力しました

2023年06月05日
明治大学 国際日本学部

2023年5月31日に、中野区が主催した「区民と区長のタウンミーティング」が中野区役所で開催され、明治大学山脇ゼミと株式会社セブン-イレブン・ジャパンがその実施に協力しました。中国、ネパール、スリランカ出身の4名のスタッフを迎え、中野区の職員も含めると、総勢約40名が参加しました。

今回のタウンミーティングでは、「つながる はじまる なかの ~誰もが居心地の良い地域を目指して~」のテーマの下、中野区内にあるセブン-イレブンのコンビニで働く外国人スタッフの方々が、普段どのような生活をしていて、地域社会とどのような関わりがあるか、そしてどのような関わりを持ちたいかについて話し合いました。

タウンミーティングの前半では、外国人スタッフと中野区の職員が複数の小さなグループを作り、山脇ゼミの学生が各グループのファシリテーターを務めました。そして、後半では、グループで話し合った内容についてファシリテーターが発表を行い、酒井直人区長からコメントをいただきました。

酒井区長は、「今回のタウンミーティングで出された意見を今後の区の取り組みに活かし、困っている外国人の方を助ける多文化共生から、外国人の方が活躍できる多文化共生2.0の社会へと歩みを進めていきたい」とコメントし、「まずは、外国籍の皆さんが住んでいる場所で気軽に入れるコミュニティが必要。さらに、その先に皆さんが活躍できる場所があればより良いと思う。中野区をそのようなまちにしていきたい」と述べ、「誰もが居心地の良い地域」を目指していくことを参加者に伝えました。


以下、タウンミーティングの運営に携わった学生の感想です。

「今回のタウンミーティング開催まで、どのようにすれば限られた時間の中で、酒井区長を始め中野区の職員の方々、セブン-イレブン・ジャパンの皆さん、従業員の方々、そしてゼミ生にとって有意義な会になるのだろうかと考えてきました。そこで、グループワークの中で従業員の方へのインタビューを行うだけではなく、そこから見えてきた課題や次のアクションについても、皆で意見を出し合えるようなファシリテーションを心がけました。タウンミーティングを終えて最も印象に残っていることは、外国人の方が相談窓口を利用することにハードルが高いと感じてしまった場合、より気軽に話ができる”知り合い”が助けになるということ、そしてそのような知り合いを作れる場作りが必要なのではないかと考えたことです。今回のタウンミーティングをきっかけに、何らかの新たな取り組みが実現することがあれば、非常に嬉しく思います。私自身としても、このように異なる立場の方からお話を伺ったり、ゼミのメンバーと活動していく中で、毎回多くの学びを得ていると感じます。ゼミに所属している間、そして社会に出てからも、自分にとってできることを考え、実践していきたいと思いました。(国際日本学部4年 吉留 凜)

「今回のタウンミーティングに携わることができたことは、山脇ゼミにとっても、自分にとっても、貴重な機会だと感じています。やさしい日本語ワークショップや区長と留学生の懇談会など中野区の方々とは年に数回ご一緒する機会がありました。今回は、中野区のセブン-イレブンで働いている従業員の方々、そして普段中野区民と接している中野区職員の方々と一緒に、グループで中野区のこと、普段の生活の様子、今後どのように交流していきたいか等を話し合うことができました。また、区長自ら従業員の方々の意見を真摯に聞かれている姿を見て、多文化共生のまちづくりをテーマとしている山脇ゼミが中野区で活動していることを実感しました。今後もこのような機会を積極的につくり、続けていくことがゼミとしての存在意義だと思いました。」(国際日本学部4年 坪井 結香)

「今回、この企画のリーダーとして準備を進めていく中で特に意識して取り組んだことは、自治体・民間企業・大学といった3つの異なるセクターそれぞれの事情や意見をくみ取り、全員が心地良く参加をすることができる会をつくり上げることでした。今回のような産官学の連携は自分にとって初めての取り組みであったため、初めはセクター間で連絡が上手く行き届かなかったことや、他のゼミ生に負担をかけすぎてしまった部分があり、異なるセクター間で連携し、1つのものをつくり上げていくことの難しさを感じました。しかし、中野区やセブン-イレブンの方をはじめとした多くの方々からのあたたかいサポートにより、無事にタウンミーティングを成功させることができ、改めて、不測の事態が起きた時に計画を立て直すレジリエンス力や、報・連・相の大切さを学びました。今回のような産官学連携の取り組みというものは、全国でまだ数少ないのではないかと思いますが、多くの社会問題は多岐に渡るセクターにまたがっている以上、1人だけで問題に取り組むのではなく、様々なセクター界との協働が不可欠になるのではないかと考えます。今回のタウンミーティングを機に、さらに多くの場所でこういった連携が行われることを願うのと同時に、今後のゼミ活動でも連携の可能性を模索し続けたいです。」(国際日本学部4年 阿部 弥生)

「タウンミーティング開催に向けて、セブン-イレブン・ジャパンと中野区、そして明治大学山脇ゼミの三者で連携して、長い時間をかけて準備をしてきましたが、始まってみるとあっという間の1時間でした。振り返ってみると、外国人スタッフの方や区の職員の方々とのお話はとてもおもしろく、また、セブンイ-レブンや中野区の方から多くの助言や情報をいただきながら、ゼミ生同士でも相談を重ね、初めてのわりに、しっかり連携して開催することができたのかなと感じます。外国人スタッフの方からは、仕事、日本語学習、日本人の友だち、参加して楽しかったイベント、新宿のおいしいスリランカカレーのお店のことなど、いろいろ教えてもらいました。話の中では、好きなものやイベントに参加するきっかけなどといった自身との共通点も見つけることができ、会話を進めるうちにいつの間にか終了時間になってしまっていました。最後に、今回の中野区×セブン-イレブン×明治大学によるタウンミーティングのような、多文化共生推進に向けた産官学連携の取組が今後も各地で増えていってほしいですし、山脇ゼミとしても、セブン-イレブンや中野区、そして今回参加してくれた外国人スタッフの方々とのつながりを大切にしながら、これからもどんどん新しい連携・協働の可能性を探っていきたいです。」(明治大学大学院国際日本学研究科修士課程2年 松野 有香)
(国際日本学部4年 阿部 弥生)