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国際日本学部

Map of Hope:Empowering Ukraine Through Art (希望の地図:アートでウクライナに力を)【琴ゼミ】

2023年07月20日
明治大学 国際日本学部



<2023年度春学期>

国際日本学部 琴ゼミ生の4年生は今学期、コラボレーションによるソーシャリー ・エンゲージド・アートプロジェクトを初めて実施しました。ソーシャリー ・エンゲージド・アートプロジェクトとは、社会へコミュニティへ積極的に関わる実践を行なうことで社会的な変化をもたらそうとするアート・プロジェクトのことを指します。
4年生のゼミで2つのグループに分かれてチームを作り、チェ インソさん ソン ユホンさん 瀧野友理さん、アリーナさん(Alina Spitsyna)、山部 ちひろさんのチームが協力してMap of Hope:Empowering Ukraine Through Art (希望の地図:アートでウクライナに力を)というプロジェクトを立ち上げ、中野四季の森公園で実施しました。前年度の秋学期からゼミに参加しているウクライナからの留学生アリーナさんと共に、ウクライナへ平和への想いを繋げたいという一心で、アートの力による平和への希望を広げる試みです。

ゼミでの準備風景。希望の地図の想いが伝わるように、皆さんの指紋で色を付けました。

 スタンプもすべて手作りです。


ポスター:チェ インソ(Choi Inseo)


<プロジェクト概要>

【プロジェクトスケジュール】
日程:7/3 (Mon) - 4 (Tue)
時間:10 AM 〜 5 PM
会場:中野四季の森公園、多目的ホール

中野四季の森公園でのプロジェクトの記録と、「Map of Hope 希望の地図」はキャンパスの学生との参加型プロジェクトとして学内展示期間に展示されています。

【展示会期】

日程:7/6 (Thu) - 21 (Fri)
時間:9 AM 〜 7 PM

【展示会場】

明治大学中野キャンパス1階

- アトリウム




プロジェクトへの参加方法:

1) スタンプを取り、 塗料の入った容器に適切に押しつけます。
2) 戦争後にウクライナ訪れたい都市、またはすでに行ったことがあるか再び訪れたい都市の地図にスタンプを押します。
また、手のひらを絵の具の容器に押し当てて、地図上に自分のマーク
を残して、ウクライナの都市への支持を示すこともできます。
3) ナプキンで手のペイントの跡を拭きます。

How to participate in the art-project:

1) take the stamp and properly press it to the container with paints
2) put a stamp on the map of any city where you want to visit after
war, or where you have already been and would like to visit again
you can also press your palm on the paint container and leave your
own mark on the map, thus showing your support for the cities of
Ukraine
3) wipe your hands from traces of paint with napkins


キャンパスの展示会場では、思いがけずウクライナの留学生の方々が、それぞれの故郷を書き込んで、そこに自身の名前を記してスタンプを押してくださいました。




国際日本学部4年生 瀧野友理さん

今回、私たちのグループは「アートでウクライナに力を」というテーマで参加型アートを製作しました。まず、参加型に至った背景は、実際に作品に触れてもらうことによってウクライナという国を身近に感じてもらいたかったからです。普段、新聞やテレビで目にするものは、決して日本に住む私たちに無関係なものではないです。むしろ、同じ地球に住む人間として考えていかなくてはならない問題だということを伝えたいと強く思いました。実際に、参加者の中にはこれがきっかけでウクライナのことをもっと学びたいと思ってくださった方がいました。私たちが作品の製作に使用したものは、紙、鉛筆、消しゴム、マーカー、スタンプ台といった、どこでも手に入るものです。しかし、これらのものが私たちの意志により人の心を動かす力へと変わっていったのです。アートが持つ力を感じた瞬間でした。大切なのは行動を起こすことです。私たちは、それをアートを通しておこなっていますが、意志があればどのような形でも未来へと繋がっていきます。ぜひ、皆さんも私たちと一緒に一歩先に進んでみませんか?


政治経済学部 Alina Spitsynaさん

ソニ先生がゼミでウクライナのグループ・プロジェクトを行うことを発表したときは嬉しかったです。はじめはウクライナ人としてこのプロジェクトを成功させなければならないというプレッシャーを感じましたし、どのようにしてこのプロジェクトに他の人たちを参加させることができるかが心配でした。しかし実際には、私やチームのみんながプロジェクトを企画する過程はとても楽しく、中野に住む多くの日本人が私たちとコミュニケーションをとってくれました。私自身がこのプロジェクトの記録ビデオを編集しました。展示会に参加できたことをとても嬉しく思っています。この経験は、グループワークの素晴らしさを教えてくれました。

(英語原文)

I was pleased when Soni-sensei announced a group project for Ukraine. As a Ukrainian, I felt the pressure of responsibility to make it look good and worried about how to make other people join the project. In the end, it was a very fun process when I and my team organized the project, so many Japanese people in Nakano communicated with us. I also edited the video for our project and I loved taking part in this exhibition. This experience taught me the beauty of the group work.

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中野四季の森公園では道ゆく人々に呼びかけて、ウクライナの地図に平和のスタンプを押すプロジェクトに参加してもらいました。





「ウクライナから美人が選ばれたきたの?」と尋ねるご近所の方。




ウーバーイーツの配達員さんもスタンプを押しました。
暑い中おつかれさまです!


「キーウってどこ?」と尋ねるご近所の方。




スタンプの形は平和のシンボルの鳥と3本指のジェスチャーのスタンプがあります。ウクライナでは3本指のジェスチャーはウクライナの国章を意味するジェスチャーだそうです。




文責:アリーナさん(Alina Spitsyna)、チェ インソさん、瀧野友理さん

ウクライナには、人差し指、中指、薬指を立てたウクライナの国章を意味するジェスチャーがある。元ウクライナ人民代議員のヴィアチェスラフ・チョルノヴィルが
シンボルを表すために使っていた。1991年のウクライナ宣言の際に議員たちはこのジェスチャーを使った。
このジェスチャーには深い歴史があり、1987年から1988年のリヴィウでは、当時独立の話はなかったが、ソビエト体制への反対の姿勢を示し、ウクライナへのアイデンティティを示すため、このジェスチャーが使われていた。そして「ウクライナに栄光を」、「英雄に栄光を」というウクライナでの挨拶には、このサインが
付け加えられた。

In Ukraine, there is already a gesture that means a trident (The coat of arms of Ukraine) - it is the index, middle, and ring fingers raised up. The Former People's Deputy of Ukraine Viacheslav Chornovil used this gesture to denote
the trident. This is how the deputies folded their fingers during the declaration of an independent Ukrainian state in 1991.
The gesture has deep historical roots. Life in Lviv - 1987-1988, there was no talk of an independent Ukraine yet, but people often showed this gesture to demonstrate their opposition to the Soviet system, and to emphasize their national identity. The greeting "Glory to Ukraine" - "Glory to Heroes" was complemented by a gesture with a folded little finger and thumb and three fingers up.
People greeted and identified themselves with this gesture during the national underground of the 1940s and 1950s. And even a hundred years ago, such a greeting was used by the Legion of Ukrainian Sich Riflemen (a Ukrainian unit
within the Austro-Hungarian Army during the First World War.)


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はじめてキャンパスの外に出て行うソーシャリー エンゲージドアートの試みに初めは戸惑う様子見もられましたが、少しずつ協力して実施にこぎつけた風景を見て、側で感動しておりました。
ゼミ生の皆さん、本当にどうもありがとうございます!
就活に、進路にと悩みが多い4年生ですが、ウクライナから来たクラスメートのためにコラボレーションでアートプロジェクトを立ち上げたことは、これからの大きな力につながることと思います。
ウクライナに平和が訪れることを、そして、皆さんのこれからの未来が開かれていくことを心より願っております。