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国際日本学部

山脇ゼミが第11回なかの多文化共生フォーラムを開催しました

2023年12月18日
明治大学 国際日本学部

第1部の活動報告第1部の活動報告

プレゼンの様子プレゼンの様子

第2部のワークショップ第2部のワークショップ

酒井直人中野区長(左側)と星野ルネさん酒井直人中野区長(左側)と星野ルネさん

講師、来賓の皆さんとゼミ生の集合写真講師、来賓の皆さんとゼミ生の集合写真

国際日本学部山脇ゼミが、2023年12月6日に「第11回なかの多文化共生フォーラム~多様性のあるやさしいまちを目指して~」を開催しました。今年度は対面とオンラインのハイブリット形式で開催し、会場には約50名、オンラインで全国から約40名、ゼミ生も含めると約120名の参加がありました。

プログラム

ショート動画日本語英語

第1部では、今年度の山脇ゼミの活動報告を行いました。毎年開催されている中野区長と留学生の懇談会やなかの生涯学習大学との合同ゼミ、小学生や中野区職員向けやさしい日本語ワークショップの報告に加え、今年度は株式会社セブンイレブン・ジャパンとコラボした中野区長のタウンミーティングや群馬県庁の依頼を受けた多文化共生ミュージックビデオの制作、女性ファッション誌MORE(集英社)に掲載された記事のやさしい日本語への書き換え、そして新潟・横浜・台湾合宿といった、新たな取り組みに関する報告も行われました。また、11月に行われた東京都主催「タイバーシティ・プレゼンコンテスト」で3連覇を果たしたプレゼンの発表も行いました。


*活動報告資料
*プレゼン動画


第2部では、何気ない日常の中で行われる否定的言動を指す「マイクロアグレッション」をテーマに取り上げ、カメルーン生まれ・日本育ちの漫画家、星野ルネさんをお招きし、山脇啓造教授が聞き手となって「マイクロアグレッション」について語っていただくトークとワークショップを開催しました。トークの中で星野さんは、マイクロアグレッションとどのように向き合えば良いのかについて、星野さん自身が受けたマイクロアグレッションを踏まえてお話いただき、「自分の些細な言動が誰かを傷つけてしまう可能性があることを知ってほしい。しかし、マイクロアグレッションをしてしまうのではないかと思い、コミュニケーションを委縮するのではなく、傷つけてしまったら謝ったり、自分の理解を広げたりと、相手を尊重する姿勢を取ることができるかが大事。」と参加者に伝えました。

トークの後は、高校生から高齢者まで様々な世代の参加者が混ざる形でグループを作り、ゼミ生が考案した「マイクロアグレッションかるた」を用いて、マイクロアグレッションについて考えるワークショップを実施しました。かるたという全世代に馴染み深い遊びを用いたことで、参加者間の緊張も次第に解け、かるたに書かれた言動はマイクロアグレッションに当たるのか、他にどのようなマイクロアグレッションが潜んでいるのか、それをなくすにはどのような意識が必要かについて、世代を超えて活発に議論が行われました。

また、今回のフォーラムでは、毎年ご参加いただいている酒井直人中野区長に加え、岸本聡子杉並区長にもご参加頂き、最後に講評をいただきました。酒井区長は「マイクロアグレッションという新たな視点から多文化共生について考えることができ非常に良かった。外国人住民が活躍できる多文化共生2.0の社会の実現に向けてさらに歩みを進めて行きたい。」とコメントし、岸本区長は「杉並区も多文化共生の推進に力をいれていきたいと思っている。今回のフォーラムで得たことを区の取り組みに活かし、たくさんの多様性が当たり前となるような社会を目指したい。」とコメントしました。

最後に、ご参加いただいた方々の感想を紹介します。

「圧巻でした!45分であれだけの内容を発表できる山脇ゼミの皆さんに驚きましたし、幅広い人々を対象に、これだけたくさんの活動を、約半年間で実施していることに感銘を受けました!ここまで実施するにはいろいろな苦労もあったと思いますが、皆さん楽しそうに報告されていることも印象に残りました。」

「先日の中野区職員のやさしい日本語研修に続き2回目の参加となりましたが、改めて学生の皆さんのパワーに圧倒されました。外国人人口が増える昨今、多文化共生というテーマは非常に重要なことと考えます。学生の皆さんのこうした活動が、中野区を超え近隣自治体、ひいては日本全国に広がることを期待しています。」

「短い時間で、ややもすると難しい概念であるマイクロアグレッションを誰でも理解できるように、大変わかりやすくプレゼンされておられました!冒頭と最後のロールプレイや、文字が多すぎないスライド、工夫された活用内容など、飽きさせない工夫が随所にあり、見ていてとても楽しいプレゼンでした。」

「マイクロアグレッションという無意識下で起こってしまう事象に対して、カルタを通して再認識できた経験は非常に大きいなと感じました。ルネさんもおっしゃっていたように、こういったマイクロアグレッションを起こしてしまわないように萎縮するのではなく、言ってしまう可能性があるとともにそれに気づくことを意識したいと感じました。」

「フォーラムを通じて、マイクロアグレッションを自分が無意識にしてしまっていないか考え直すことができました。どんなことを言ったら傷つけてしまう可能性があるのかを理解しておき、もし言ってしまうことがあったら、そのコミュニケーションから逃げずに、謝れるようになりたいと思いました。」

「マイアグッバイやオリジナルカルタを通じて、マイクロアグレッションへの認識を広げる活動は、ゼミ生の溢れる工夫と創造性を感じて、非常に感心しました。自分自身も今回のフォーラムで初めてマイアグという概念を学ばせていただいたので、興味深く聞かせていただきました。」

「カルタを通してマイクロアグレッションについてより深く考える機会を頂き、とても有意義な時間を過ごすことができました。また、ゼミ生の方々に限らず高校生や区の職員さんなど、普段接することのない方々の意見を聞くことができ、改めて参加して良かったと思いました。」
(国際日本学部4年 阿部 弥生)