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国際日本学部

「やさしい日本語ラップ」の制作4周年を記念した多文化共生セミナーが開催されました

2025年10月03日
明治大学 国際日本学部

やさしい日本語をテーマにラップで歌ったミュージック・ビデオ「やさしい せかい」の公開4周年を記念して、多文化共生セミナー「やさしい日本語×ラップ、4年後のいま」が、オンラインで2025年9月26日に開催されました。登壇者の多くが中野キャンパスの教室に集まり、ズームにアクセスしました。ズームにはやさしい日本語関係者等、全国から約60名の方々にご参加いただきました。

「やさしい せかい」は2021年9月30日に公開されたミュージック・ビデオで、「やさしい日本語ツーリズム研究会」(吉開章代表)が制作し、国際日本学部の山脇啓造教授(多文化共生論)のゼミが全面的に協力し、国際交流基金が後援しました。ビデオでは、日本語の難しさや外国人住民が日本で暮らす中で感じる壁について歌っています。やさしい日本語とは、簡単な語彙や文法、構文を用いた、誰にとってもわかりやすい日本語のことです。これまで、約7万6千回再生されています。

歌ったのは、山脇ゼミの学生や中野区にあるイーストウエスト日本語学校の学生です。視覚・聴覚障害のある方々も出演しました。ビデオの撮影は映画監督の小澤雅人氏によって、明治大学中野キャンパスで行われました。

「やさしい せかい」
https://www.youtube.com/watch?v=2fYxhoUwqAg&t=3s


セミナーは三部構成で行われ、第一部「リレートーク」では、ビデオに出演した元ゼミ生と現役ゼミ生、「やさしい せかい」プロデューサーの吉開章さん他、自治体や企業の関係者が報告しました。第二部「国の取り組み」では、出入国在留管理庁と文部科学省の担当者にご報告いただきました。第三部は、「やさしい日本語の課題」をテーマにしたパネル討論がありました。最後に、質疑と各地の参加者からの活動紹介の時間があり、閉会となりました。

*吉開さんから紹介された新作ショート動画「やさしさが、あったから。」
https://www.youtube.com/watch?v=EdPIYUrwRm4


参加者のアンケートでは、28人の回答者の7割が「とてもよかった」、残りの3割も「よかった」と答えていただきました。以下、感想の一部を抜粋してご紹介します。

「今日参加してみて、国や都、他県の動きがわかり、市町村、国際交流協会、企業他つながるべきところとつながり、戦略を考えること、今年度はここまで来年度はこの辺までなど計画的に活動に取り組んでいくことが大切だと感じました。それと同時に、豊中市のやさ日ひろめらーのような仲間づくりも欠かせないと思いました。今日はたくさんの学びがありましたが、すごい速さだったので、頭の中がまだ整理できません。来年もこのセミナーに参加したいと思います!」

「各地域や団体の様々な取り組みを学ぶ機会、そして山形での実践を紹介する機会をいただき、とても有意義な時間となりました。こうした多様な取り組みを共有できたこの機会を通して、日本人と外国人が仲良く暮らせる社会の実現という目的を改めて確認することができました。同時に、自分には何ができるのか、これからどのような取り組みをしていくべきかを自分事として考えるきっかけにもなりました。」

「吉開さんのお話にあった『やさしさが、あったから。』というアニメーションがとても印象的でした。また、やさしい日本語の応用や定義に関する問題も非常に興味深かったです。セミナーの中でお話にもありましたが、私はやさしい日本語はユニバーサルデザインの考え方を応用したものであるという認識が、一番近いと思いました。」

「多方面からのお話がとても勉強になりました。やさ日の認知度、理解度が年々UPしていると思います。あとはどれだけ語弊なく浸透させていくかですね。やさ日はまだまだ色んな可能性を秘めていると思います。もっと深く勉強していきたいと思いました。」

「やさしい日本語」の定義や行政の取り組みなど、大きな枠組みでのお話が伺えたり情報が得られたりして、たいへん有益でした。これを地域住民の日常的なやり取りの仕方に具体化し、実践を広げていくにはどうしたらいいか。足元から活動を続けていかなければならないと改めて思いました。

「やさしい日本語の定義や行政の取り組みなど、大きな枠組みでのお話が伺えたり情報が得られたりして、たいへん有益でした。これを地域住民の日常的なやり取りの仕方に具体化し、実践を広げていくにはどうしたらいいか。足元から活動を続けていかなければならないと改めて思いました。」

「やさしい日本語に関する最新の情報に触れることができたことに加え、各省庁やトップランナーの皆様の貴重なご意見を伺うことができ、大変有意義な時間となりました。省庁主催のような豪華なセミナーで、感銘を受けました。」

セミナーの概要は以下のとおりです。

日時:2025年9月26日(金)16:00-18:00
会場:オンライン(ズーム)
主催:明治大学山脇啓造研究室
後援:やさしい日本語ツーリズム研究会、アクラス日本語教育研究所
登壇者(敬称略):石井成直(入管庁在留支援課)、岩田一成(聖心女子大学)、大島沙也(フォースバレー・コンシェルジュ、山脇ゼミ12期)、上林政俊(行政書士、元大阪市)、嶋田和子(アクラス日本語教育研究所)、平田春奈(静岡県多文化共生課)、長山和夫(日本国際協力センター)、増田麻美子(文部科学省日本語教育課)、MAZ(メルカリ)、村田陽次(東京都都民安全課)、山崎一空(山脇ゼミ16期ゼミ長)、山脇啓造(明治大学)、吉開章(やさしい日本語ツーリズム研究会)

プログラム:
16:00 開会挨拶
16:05 第1部リレートーク(各5分)
   大島沙也(12期、「やさしい せかい」に出演)
   山崎一空「山脇ゼミの取組み」(16期ゼミ長) *資料
   上林政俊「大阪府豊中市での取組み」 *資料
   長山和夫「ビジネス分野のやさしい日本語」 *資料1資料2
   吉開章「活動報告」 *資料
   MAZ「やさしいコミュニケーション」(録画)

16:35 第2部 国の取り組み(各8分)
出入国在留管理庁 
文部科学省 *資料

<16:55 休憩>

17:05 第3部やさしい日本語の課題
   パネリスト:山脇啓造 *資料
         村田陽次 *資料
         平田春奈 *資料
   コメント:岩田一成
17:30 Q&A
17:45 参加者による情報共有
17:55 閉会の言葉
18:00 閉会

【関連ウェブサイト】
「国際日本学部 山脇ゼミが『やさしい日本語』をテーマにしたミュージック・ビデオの制作に協力しました」(2021年9月30日)
https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2021/6t5h7p00003cvs0f.html