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国際日本学部

都内高校生向けのVRを活用した多文化共生・異文化理解ワークショップの実施

2022年04月15日
明治大学 国際日本学部

 2022年4月6日に、VR/ARを活用した教育プログラム開発に取り組む岸ゼミ/研究室の6名が、都内の高校3年生(11名)に向けてVRを活用した多文化共生ワークショップを実施しました。「Future Design〜大学生と一緒に多文化共生と自分の未来について考える~ 」というテーマで、高校生が、大学と高校の学びの違い、多文化共生の社会、異文化理解について考え、会話し、実感できることを目的としました。
 本企画は、学部生と大学院生の共同実践で、岸ゼミの稲田優菜さん(4年生)、大宅杏実さん(4年生)、石川智瑛さん(4年生)、岩角隆介さん(3年生)、大学院の久保槙祐野さん(M2)、柴田恒さん(M2)の自主開催で行われました。
 以下に、参加した学生4名と、高校生1名の感想を紹介します。

稲田 優菜(岸ゼミ 4年)
 本実践の企画に至ったきっかけは、「半径5mしか見えていない高校生の視野を広げたい」という高校の担当教員の言葉でした。私たち国際日本学部の学生が日頃から学び、実践し続けている「異文化理解」「多文化共生」をテーマにしたワークショップを企画しました。私たちが企画したワークショップでは、『世界がもし100人の村だったら』という世界の人口を100人に縮めて世界の「多様性」と「貧富の格差」をわかりやすく紹介している本の内容を題材にしました。はじめ、高校生が考える「多様性」は、日本人と外国人という国籍や人種に基づくものでした。その多様性の概念を広げるとともに、多様な人々が共存する社会を生きる当事者として、自分自身がどうあるべきか、どうなりたいのかを対話を通して考え、AR技術を用いて理想の自分像をアバターで作成してもらいました。アバターを作りながら、生き生きと未来の自分について話す高校生の姿がとても印象的でした。
 今回のこの「Future Design」のワークショップが、進路に悩む高校生にとって、多様な人々が暮らす現代社会において、どのように他者との違いを理解し「未来を創っていくか」を考えるきっかけになれば嬉しいです。また、未来だけでなく日々の生活の中でも、今回の学びや気づきを活かしていただけたら幸いです。

大宅 杏実(岸ゼミ 4年)
 自身の進路について悩む時期にある高校生と大学生が共に活動するとどんな発見があるのだろうか?今回は「『未来』を考える」をテーマに企画の中で、私は告知用のフライヤーとキャンパスツアーのパンフレット作成など広報・デザインを担当しました。
 「『違い』を怖いと思うのではなく、対話で埋めて楽しいものと考える」これは、高校教員の方が感想で仰っていたのですが、私はこの言葉がとても印象に残りました。高校生とワークショップを体験する中、一人一人が大切に考えていることや物事の捉え方、印象の抱き方、アイデアなどが、本当に様々だと感じました。それと同時に、なぜそう考えたのか、その一人一人の「違い」を対話を通して知ることで、物事を考える時の新たな視点に気づくだけでなく、相手を知ることが出来た分、初対面同士でも距離感が縮まることを実感しました。
 また、今回大学外の人と会い共に活動することの重要性も感じました。普段話すことができない他者との交流を通して、自分の感性や学びたいことを改めて考えました。それらを見失わないようにし、今後の活動に取り組むモチベーションに繋げていきたいと思います。高校生にとっても今回の企画がそういった学ぶ意欲が生まれる場になっていれば幸いです。
 そして最後に、高校生が私たち大学生と交流したことで、彼らが未来に「憧れ」を抱き、新しい意欲や創造性を引き出すきっかけとなれば嬉しいです。今回、ワークショップやキャンパスツアーを共に企画・実行してくれたゼミ生の方々や、高校生、引率の先生方等、企画に関わった皆さんのおかげで貴重な体験をすることができました。ありがとうございました。

石川 智瑛(岸ゼミ 4年)
 教職課程を履修している私にとって、教育実習前に高校生と活動できる好機だと思い、参加させていただきました。ARアバターを作っている時の高校生の楽しそうな顔を見ているだけで、この企画に参加して本当に良かったと心から思いました。共に活動する中で、約3時間という短い時間にも関わらず、高校生の成長する姿を見ることができました。例えば、「他の人と自分の考えは違うことが多いから、自分はズレているんだと思います」と初めは話していた高校生がいました。しかし、ワークショップを通して、「異文化」は「隣の人と自分の間にも存在する」ことを実感し、「違い」は「間違い」ではなく、みんなが異なっていることで新しい可能性が生まれていくことに気づいていったようでした。活動の最後には「もっと自分の考えに自信を持てるようになりたい」と話してくれたことがとても印象に残りました。高校生との交流を通して、「成長」を実感すると共に、「対話力、傾聴力」をもっと伸ばしたいという自分自身の成長に向けた目標を見つけることができました。高校生の皆さん、引率された先生方、企画に携わったゼミ生の皆さん、参加させていただき、ありがとうございました。

岩角 隆介(岸ゼミ 3年)
 これからゼミ活動で始まっていく自身の研究について考える機会としてだけでなく、大学生としての自分の経験が進路について考えている高校3年生の皆さんのささやかな手助けになれればと思い、今回の企画に参加しました。
 現代社会においてグループディスカッションなど他者とコミュニケーションを取ることが重要視されていますが、自分を含め日本人はそういった対話が苦手な傾向にあると思います。対話が苦手であれば、当然自分と異なる意見を聞き、相手や他人のことを知ることも出来ません。しかしながら、今回のワークショップでは、岸先生や先輩方がたくさん質問をしたり、共感したりしながら対話をリードし、生徒の話を引き出していました。このような、言葉を引き出すファシリテーター役がとても重要だと改めて気づかされました。
 高校生の皆さんが今回の活動で対話の楽しさと対話の中で得られた知見をこれからに活かせることを願っております。

みずきさん(高校3年生)
AR技術を用いたアプリケーションと「世界がもし100人の村だったら」という本、他社理
解カードゲームを通して「異文化理解とはどういうことなのか」を体験的に知ることがで
きました。3年生になる直前にこのようなワークショップに参加できてよかったです。ありがとうございました。