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国際日本学部

エベレストインターナショナルスクール(EISJ)と連携した日本語教育の実践

2022年06月21日
明治大学 国際日本学部

岸ゼミでは、地域や学校と連携したプロジェクト型実践(アクションリサーチ)を実施しています。その一つに、エベレストインターナショナルスクール(EISJ)と連携した日本語教育の実践があります。楽しみながら、日本語に親しみ、日本語を使いながら、人と人がつながる教育実践をゼミ生が企画・実施しました。以下、2名の学生が報告します。

山下 汐莉(岸ゼミ 4年)
私たちはEISJの10年生(高校1年生相当)の日本語の授業で、ゼミで企画したゲームに基づいた教育実践(Game Based Learning)を実施しました。先日別の機会で、EISJを訪問した際、日本語の授業を担当されている佐々木先生より、EISJの生徒が日本人と交流する機会が少ないことを伺い、今回の実践を行うことになりました。
 当日まで約1か月間、佐々木先生と連絡をとりながら、「日本語を通して、大学生とEISJの高校生間の関係性を深めること」を目標に交流企画を練りました。企画を考えるうえで考慮した点は、日本語の語学力の差を超えて、皆が楽しめるようにすることです。EISJの生徒はバックグラウンドが多種多様であり、生徒間で日本語の語学力に大きな差があります。語学力の差に左右されず、皆が活躍できるゲームにすることを心掛けました。
当日は、「答えを合わせましょう」と「絵しりとり」の2つのゲームを実施しました。私は 「答えを合わせましょう」のゲームマスターを担当しました。「答えを合わせましょう」は、全チームであるお題に対する回答をそろえるゲームです。第一問の「ネパールといえば?」で、全チームの回答が「エベレスト」と揃うと、教室が歓喜の渦に包まれました。ゲーム中、生徒たちが自発的に拍手や相槌で盛り上げてくれたことで、終始楽しい時間を過ごすことができました。
 授業後に佐々木先生とお話させていただく中で、日本語の語学力の差が大きいクラスで日本語の授業をすることの大変さや、生徒たちの進路選択に関する課題感を伺いました。伺った話を基に、今後もEISJの生徒たちと私たち双方にとってよりよい学びや経験につながる機会を一緒に作っていければと思っています。


田口 優智(岸ゼミ 3年)
 私は学部内で教職課程を履修していることもあり、教育全般に興味があるため今回のEISJの高校1年生を対象にした日本語の授業を行う活動に参加しました。
 これから私たち明大生とネパールの子どもたちとの交流を深めていく第一歩として、今回の授業は日本語を用いたゲームをみんなで行うといった構成にし、日本語がまだ苦手な生徒も一緒に楽しめる活動にしようと企画しました。高校1年生といっても、日本の学校のように生徒全員が同じ年齢で学力もほとんど同じというわけではなく、年齢も違えば日本語ができる度合いも様々だったため、どうしたらみんなが楽しめる活動を作り上げられるかについて考えるのに多くの時間を費やしました。
 当日、私は「絵しりとり」のゲームマスターを担当しました。「絵しりとり」は日本語が苦手な生徒でも絵を通して自らの考えを発信でき、みんなが盛り上がれるなどというような効果を期待した通り、実際に日本語があまりできないことから積極的に意見を言うことができないような生徒も一緒に全員で楽しみながらゲームを行うことができました。ほとんどの生徒が制限時間内により多くの絵を描けるように協力し合いながら終始楽しそうにゲームに参加しており、すべてのゲームが終わった後に行った振り返りの時間においても多くの生徒が「絵しりとり」が楽しかったと話していました。
 次回の活動につなげられるような今回の反省点としては、日本語の授業であるにもかかわらず、ゲームの最中に生徒たちがネパール語や英語で会話をしてしまうような場面が見受けられたり、私たち大学生側も生徒たちがわかりやすいように説明しようと英語に頼ってしまう部分があったことが挙げられました。あくまでも日本語の授業なのでゲームのルール説明の際や話し合いのときも日本語を使うことをもっと強調するべきだったと思います。