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国際日本学部

山脇ゼミが厚木市の人権教育研修会で、小中学校の教員を対象にやさしい日本語のワークショップを実施しました。

2022年08月30日
明治大学 国際日本学部

 

国際日本学部山脇ゼミは、2022年8月2日に厚木シティプラザで、学校教員の方を対象に、やさしい日本語ワークショップを実施しました。これは、厚木市教育委員会が主催し、市内全小中学校の人権教育担当者を対象に行う研修で、前半に山脇啓造教授が多文化共生教育について講義した後、後半にゼミ生が書き言葉に焦点をあてたやさしい日本語のワークショップを担当しました。山脇ゼミではこれまで、自治体職員を対象としたワークショップは行ってきましたが、学校教員を対象とするのは初めてでした。
 
当日は、ゼミ生13名がやさしい日本語のワークショップを行い、35名の教員にご参加いただきました。教員3名のグループにゼミ生1名がファシリテーターとして加わり、市内の小中学校に通う外国ルーツの児童生徒の保護者にとって「やさしい」学校便りを作るワークを行いました。小学校と中学校では別のワークを行い、より学校現場に近い内容を提供できるよう工夫しました。そのために、静岡県教育委員会が作成した「学校における『やさしい日本語』活用促進事業実施報告書」(2020年3月)を参考にしました。


実施後のアンケートでは、「今まで当たり前の形で話したり、書いたりしたことを相手の立場になって見直すきっかけになった。」「学校のお便りを扱ったのですぐに実践に移すことができる。職員みんなに回覧し、国際担当や支援担当とも共有したい。」「ワークショップはとても分かりやすくすぐ実践できるものとなった。会の進め方、声かけ等本当に学生さんなのかと驚かされた。一生懸命な気持ちが伝わってきた。」「ゼミ生の内容、進行がすばらしかった。学生の情熱やたくましさに励まされた。」等の声を参加者からいただきました。

山脇ゼミは、今後も国籍やルーツ関係なく多くの方にとって、日本での生活が更に快適になるよう、やさしい日本語を日本社会に発信していきたいと思います。全体進行を務めた2名の学生の感想は以下のとおりです。

今回は、教育現場でやさしい日本語をいかに「実践」していただくか、その点に一番こだわりを持ってワークを作成しました。そのため、学校で実際に使われているお便りを用いてワークを行い、すぐに実践して頂けるようなポイントも多くお伝えできるよう工夫しました。至らぬ点も多かったと思いますが、厚木市教育委員会の方をはじめ、当日参加してくださった教職員の皆さまからのサポートのもと無事、ワークショップを開催することができました。私は現在学童のスタッフとしてアルバイトをしている為、教育現場でやさしい日本語の必要性を痛感させられることも多々あります。今回のワークショップで教育現場でのやさしい日本語普及に少しでも貢献できれば幸いです。(4年 佐藤優香子)


これまでに中野区や豊島区の職員の方々に向けたやさしい日本語研修会を行ってきましたが、教員の方々を対象にさせていただいたのは今回が初めてでした。やさしい日本語を使うマインド面については共通する部分が多いですが、実際の学校の配布物を使用してワークを作成する上では異なる部分が多く、私たちもまた新たな発見をすることができました。やさしい日本語には必ずしも一つの正解があるわけではないので、様々な場面で実践を重ねてどんな時にも対応できるようにこれからも学び続けたいです。今後もさまざまな職種の方々にやさしい日本語を広め、多文化共生社会に近づいていければと思います。(4年 松村有理惠)


最後に、山脇教授のコメントです。「2018年度から、ゼミ活動の中心テーマとしてやさしい日本語の普及に取り組んできました。最初は、中野区の商店街の皆さん、そして自治体職員や小中高校生と次第に対象を広げ、去年はやさしい日本語をテーマにラップで歌うミュージックビデオの制作にも取り組みました。今回初めて、学校教員を対象にしたワークショップを行いましたが、果敢に新しいことに挑戦する学生たちを誇りに思います。2020年に日本政府がガイドラインを作って以来、やさしい日本語は全国の自治体や省庁に広がりつつありますが、行政以外の分野でも大きな可能性を秘めていると思います。今後もゼミ生と一緒に取り組んでいきたいです。」

(4年 佐藤優香子)