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国際日本学部

山脇ゼミが株式会社メルカリとコラボし、中野区職員を対象とした多文化共生研修でやさしい日本語ワークショップを担当しました

2022年11月07日
明治大学 国際日本学部

山脇ゼミは7月に引き続き、2022年10月13日に中野区職員を対象とした多文化共生研修の講師を担当しました。前回同様、社内のインクルーシブなコミュニケーションを推進するために「やさしい日本語」を活用している株式会社メルカリの親松雅代さんにアドバイスをいただき、「やさしい日本語」ワークショップを実施しました。

「多文化共生のまちづくり」を研究テーマとする山脇ゼミでは、2018年度からやさしい日本語の普及活動をしています。やさしい日本語とは、誰にとってもわかりやすいように、尊敬語や謙譲語、熟語を避けて簡単に表記したり、話したりする日本語のことです。山脇ゼミは、これまで、豊島区で2020年12月と2021年12月に、中野区で2021年8月と2022年1月さらに7月に、出入国在留管理庁と文化庁が策定した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(2020年8月)を参考に、やさしい日本語のワークショップを担当しました。今回のワークショップでも、実際の行政文書をもとにゼミ生が作成した練習問題を使用し、難しい表現を簡単に言い換える練習を行いました。

当日は計23名の職員の方にご参加いただき、山脇啓造教授から多文化共生に関する講義をいただいた後、ゼミ生が「やさしい日本語」のワークショップを行いました。

今回は、7月の「話し言葉」に焦点をあてた「やさしい日本語コミュニケーション」ワークショップと異なり、「書き言葉」に焦点をあてたワークショップでした。その一方で、ゴールとして「やさしい日本語を使う際のマインドセット(心構え)を身につけること」を、7月に引き続き強調しました。

構成は、①導入、②グループでの実践練習、③まとめの3部構成です。導入では、ゴールを示し、やさしい日本語は理解しやすい伝達手段であること、相手とお互いに「歩み寄る気持ち」が必要であることをお伝えしました。また実践練習では、自然災害、コロナウイルス、在留カードなど実際の行政文書の内容に近いテーマを取り上げ、3つのステップに沿ってポイントごとにワークを行いました。

ワークショップ後に行ったアンケートでは、「やさしい日本語を使った歩み寄りの大切さが理解できたか」という問いに対し、86%の方から「非常にそう思う」、9%の方から「そう思う」とご回答いただき、スキルだけでなくマインドセットの大切さも伝えることができたのではないかと思います。また、「グループワークはわかりやすかったか」という問いに対し、全ての受講生から「たいへんわかりやすかった」という評価をいただきました。さらに「大変楽しくわかりやすい研修でした。」など「楽しかった」という意見が目立ち、学生の強みを活かしたワークショップにできたのではないかと考えています。

これまでも山脇ゼミは、中野区の商店街や株式会社丸井グループ、学校の教職員や小中高生などに向けて「やさしい日本語」のワークショップを開催してきており、自治体職員対象のワークショップは2020年度の豊島区研修から継続して担当させていただいております。2009年度から自治体と連携した活動を積み重ねてきた山脇ゼミが、自治体の信頼を得て、多文化共生研修を担当させていただいていることは意義深いものだと感じています。

今回のワークショップでは、ゼミ生への情報共有、ワークショップ内容における改善点も見つかりましたが、自治体からより大きな信頼を得られるようさらなる改善を重ね、誰にとっても暮らしやすい「多文化共生」のまちづくりに貢献していければと思います。
(国際日本学部3年 岡野瑠璃)