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国際日本学部

山脇ゼミが第10回なかの多文化共生フォーラムを開催しました

2022年12月22日
明治大学 国際日本学部

国際日本学部山脇ゼミが、12月7日に「第10回なかの多文化共生フォーラム〜多様性のあるやさしいまちを目指して〜」を開催しました。2013年から毎年開催しているイベントですが、コロナ禍の中で形を変えつつも、無事10回目を迎えることができました。今年も昨年度同様、オンライン形式で開催し、様々な世代や立場の方々とともに実施することができました。ゼミ生を含めると、全国から約90名の参加がありました。

 

第一部では今年度の山脇ゼミの活動報告を行いました。今年度は、「中野区長と外国人留学生の懇談会」、山中湖・群馬・韓国での三度の合宿、杉並区立新泉和泉小学校5年生や明治大学付属中野八王子高校1年生を対象にしたやさしい日本語ワークショップ、厚木市の小中学校教員や上飯田小学校教職員を対象にしたやさしい日本語研修、中野区役所職員を対象にメルカリとコラボしたやさしい日本語研修、そして、中野区最大のお祭りである「中野にぎわいフェスタ」内で開催した「ちえるあるこオリンピック」に関する報告を行いました。また、11月に行われた東京都主催「ダイバーシティ・プレゼンコンテスト」で6連覇を果たしたプレゼンテーションの発表も行いました。

 

第二部では、芝園団地自治会事務局長の岡﨑広樹様、アクラス日本語教育研究所代表理事の嶋田和子様をパネリストとしてお招きしたパネルディスカッションと、参加者の皆さんの意見交換を行いました。今年度はテーマを「協働体験を通した多文化共生」とし、国や文化の違いにとらわれない継続的な関係性を構築していくためにはどのような心構えと行動が必要か、各々の体験談をもとに話し合いました。

 

山脇ゼミ4年生は昨年度から、国や文化の違いを認め、活かしあいながら、1つの目標に向かって仲間として取り組む「協働体験」が、日本社会で多文化共生を広めていくために必要であると考え、活動してきました。11月に開催したイベント「ちえるあるこオリンピック」もそのような考え方のもと、多国籍のメンバーと共に企画運営してきました。今回のフォーラムでは、実際に「ちえるあるこ実行委員会」として活動してきたルーシー・カワモトさんからも、「協働体験」の感想を発表してもらうことができました。

 

パネリストの岡﨑さんと嶋田さんは、長年日本社会の中で外国人住民や留学生との関係構築に尽力してこられました。パネルディスカッションでは、対等で持続的な関係構築のために、協働する際の心構えや具体的な行動の例について、お二方の体験談をもとにお話しいただきました。その後、参加者の方々はブレイクアウトルームに分かれて、パネルディスカッションの感想や今後自分たちがどのように行動していけるのかについて、話し合いを行いました。

 

*岡崎さんの資料

*嶋田さんの資料

 

フォーラムの最後に、来賓のお二人から以下の講評をいただきました。

 

酒井直人 中野区長「協働を実践されている方のお話を聞くことが出来て良かった。私たちもまずは実践していくことが大切。ちえるあるこも実際に長い準備期間を経て、イベントを作り上げたことがまさに協働だった。」

 

セサル・カブレホス ランゲージワン株式会社多文化共生推進ディレクター「日本人も外国人も幸せに生きたいという目標は皆同じ。その為にもっとやさしい日本語を広げて、多文化共生を広めていってもらえると嬉しい。」

 

さらに、山脇教授からのまとめのコメントで、閉会となりました。

「2013年から毎年開催してきたなかの多文化共生フォーラムだが、酒井区長には広報課長だった当初からご協力いただいてきた。始めた頃にはまさか10年続けることができるとは予想していなかった。これまでご協力いただいた地域の皆さん、そしてフォーラムを一緒に作り上げてきた学生達に感謝している。」

 

最後に、ご参加いただいた方々の感想を抜粋します。

 

「岡崎さんが10年積み上げてきた本音のお話しと、嶋田さんに取り上げていただいたなでしこ会のお話しのコントラストが興味深かったです。同じ多文化共生というテーマであっても、地域や環境によって、課題や捉え方が違うことをあらためて認識しました。」

 

「嶋田様のお話を伺い、協働の場を人や社会との繋がりに広げていくことは大変意義深いことだとだと思いました。常に意識しないとできないと思いますが、こういう場をもっと外へ発信したり、増やしていく必要があると思います。岡崎様からも、自分で体得したり見たものは否定しないとの発言がありましたが、まさに体験する場をつくって発信することが重要だと思いました。」

 

「岡崎さんの本音がまさに現場ならではの話で、リアリティーがありました。芝園団地で、緩衝材や接着剤になっている岡崎さんのような存在は本当に貴重だと思います。山脇ゼミの学生さんも卒業後、さまざまなコミュニティのなかで経験を積んで、岡崎さんのような役割を担っていくのではないかと感じました。」

 

「学生のみなさまが、共生社会に向けて真剣に取り組まれていることに、勇気づけられる思いがします。嶋田さんもおっしゃっていましたが、もっとみなさんの想いを発信をしていただき、私たち中年や年配世代が、そこに共に参加していけるような世界観が理想だとおもいました。これからも楽しみにしております。」

 

(国際日本学部4年 大島沙也)