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国際日本学部

山脇ゼミが杉並区立新泉和泉小学校と横浜市立相沢小学校でワークショップを開催しました

2023年01月16日
明治大学

山脇ゼミは、2022年12月2日に杉並区立新泉和泉小学校4年生の4クラスを対象にやさしい日本語ワークショップを対面で開催しました。

ワークショップの目的は、多文化共生について関心を持ち、やさしい日本語の理解を深め、それを実践できるようになってもらうことでした。今回はお正月をテーマに、やさしい日本語をどう使えば良いのかを小学生と大学生が一緒に考えることができました。ワークショップの最後に、やさしい日本語をテーマにしたラップ「やさしい せかい」を一緒に歌いました。

今回は、クラスごとに、8グループに分かれて、児童4人とゼミ生1人でグループワークを行い、お正月をテーマにした文章をやさしい日本語を使った文章に書き変えるために意見交換を行い、それを4年生に発表してもらいました。児童たちからは様々な意見を聞くことができて、大変やりがいがありました。ラップを歌う時は、児童たちと楽しく歌うことができました。

「わかりやすくて楽しくて面白かった」、「とても楽しかったからもう一回やりたい」、「やさしい日本語を積極的に使っていこうと思った」などと言った感想をもらい、今回のワークショップの意図が伝わり、有意義な時間を過ごすことができたようでした。

3時間目から6時間目まで、午前から午後にかけての授業となり、お昼休みには児童たちと一緒に校庭で遊ぶこともできて、とても楽しい思い出となりました。

以下はワークショップの企画を担当したゼミ生の感想です。

「今回初めてワークショップの司会を担当し、最初は緊張もありましたが、ワークショップを行うにつれ、楽しさが増しました。また、やさしい日本語に対する児童たちの多様な考え方を知ることができ、自分としても勉強になりました。お昼休みに子どもたちと鬼ごっこをして遊んで、子どもたちとの距離を縮めることもでき、とても楽しい時間を過ごせました。」(3年 中村俊介)

「今回のワークショップを通して、多文化共生だけでなく、やさしい日本語の重要性を伝えることができたと思います。ワークショップの司会として、どのように話せば小学生が楽しめるか、小学生に多文化共生、やさしい日本語について理解してもらえるかということを模索しながら行い、回を重ねるごとによりよいものになっていったと感じています。また、小学生の多文化共生、やさしい日本語に関する関心が高いことがワークショップを通して感じられ、小学生の意見を聞いて刺激を受けることもありました。とても楽しくワークショップを行えたため、この経験をこれからのゼミ活動に活かしていきたいと思います。」(3年 山本陸)

「子どもたちが楽しく積極的にワークに参加してくれている姿がとても印象的でした。小学生ならではの柔軟な発想に驚かされることも多々あり、自身の視野も広がりました。以前担当した5年生に比べ4年生はとても元気で、1学年異なるだけでもこれほど雰囲気が変わるのかと驚きました。この気付きから、今後のワークショップではより対象に合わせた内容にできるよう工夫していきたいと思います。子どもたちが今回のワークショップの内容をこれから先少しでも役立ててくれたら嬉しいです。」(3年 片桐小海)
(3年 中村俊介)

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続いて、翌週の12月5日に、横浜市立相沢小学校6年生の2クラス(計49名)を対象にした多文化共生ワークショップをオンラインにて開催しました。アンコンシャスバイアスというテーマについて、ディスカッションを3回グループに分かれて行いました。

1つ目のディスカッションでは、「身近にあるアンコンシャスバイアスを探す」というテーマのもと、まずは日常に潜むアンコンシャスバイアスについて生徒たちに考えを膨らませてもらいました。これにより、自分が生活の中で気付かずに思い込んでいる事柄を通して、アンコンシャスバイアスを身近に感じてもらいました。

2つ目のディスカッションでは、「アンコンシャスバイアスに気づかなかったらどうなるか」という問いのもと、相手の立場に立った場合の状況についての話をしました。アンコンシャスバイアスが加速した場合や、いじめなどの問題との関連、そして実際に友人からかけられたアンコンシャスバイアスに基づく一言で傷ついた実体験などについて話してもらいました。

3つ目のディスカッションでは、「これからどんな行動を取ることが大切か」というテーマのもと、最後のディスカッションを行いました。このディスカッションでは、今すぐに取れる行動は何かについて話し合いました。相手の立場に立って考える、日常の当たり前を疑うなど、さまざまな意見がでました。

今回のワークショップを通して、アンコンシャスバイアスというテーマから相手の立場に立って考えるという基本的な多文化共生の姿勢について改めて考える機会となりました。参加したゼミ生からは、子どもたちが積極的に意見をしてくれ、みんなの意見を聞くことを通してアンコンシャスバイアスについて改めて考え直すいいきっかけになった、子どもたちの流行りについての理解をもっと進めておきたかったなどの感想が挙げられました。

最後に、ワークショップの後に書いてもらった子どもたちの感想を紹介します。

「アンコンシャスバイアスについて聞く前は、何それ?ぐらいにしか思っていなかったのですが、聞いてから。色、髪の毛、スポーツ、服そう、ランドセルなどで思い込みがあると分かりました。」

「ぼくはアンコンシャスバイアスを学んで、勝手にこの人は〇〇だからと決めつけてしまっているなと思いました。ぼくは、その人がどんな立場なのかを考えたり、どんなことを言ったら傷つかないかを考えたいと思います。」

「アンコンシャスバイアスで嫌な気持ちになる人がいることを知って、とても大事な時間でした。外国の人の顔だったら英語が話せると思って、ハーフの子に英語で話してみて!といきなり言ったことがあります。その子がどんな気持ちになるか考えて言えばよかったと思いました。」

「私はアンコンシャスバイアスをしている場合があるということを知りました。人はへんけんをもつことはあるけれど、思ったことをすぐに言ってしまうのではなく、一度考えてから言葉にしたいと思いました。」

「大学の人たちと外国人が箸を使ってご飯を食べてて、日本人がすごい!って言ってる画像があって、パパとかママは考え方が古い感じがして、そういうひどいことを言ってるかもしれない」
(4年 野田鈴夏)