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国際日本学部

山脇ゼミが長野県庁主催の「しんしゅうやさしい日本語大会」に招かれ、活動報告を行いました

2023年02月13日
明治大学 国際日本学部

山脇ゼミの3年生3名、4年生1名、修士1年生2名が山脇啓造教授と共に、2023年1月29、30日に長野市を訪問しました。

まず初日は、長野県庁主催の「しんしゅうやさしい日本語大会」で山脇ゼミのやさしい日本語の普及活動について報告しました。この大会は、長野県におけるやさしい日本語の普及をめざして長野県庁が初めて企画したオンライン・イベントで、長野市芸術館リサイタルホールからズームで配信され、長野県内外から約100名の視聴者が参加しました。

「しんしゅうやさしい日本語大会」チラシ

最初に、岩田一成聖心女子大学教授の基調講演の後、3組の事例報告がありました。企業向け研修を行う日本国際協力センター(JICE)、長野県の介護施設であるのぞみグループに続いて、山脇ゼミは3番目に登壇し、大野晏実さん、坪井結香さん、吉留凜さんの3名(いずれも3年生)が山脇ゼミの自治体や学校などと連携した活動報告を行いました。大会後半には、パネル・ディスカッションもあり、やさしい日本語の普及について意見交換を行いました。山脇ゼミから、松村有理惠さん(4年生)がパネリストとして登壇し、山脇教授が司会のアシスタントを務めました。

2日目には、長野県多文化共生相談センターを訪れ、小川直美センター長、篠原哲也地域国際化協会事務局長、佐藤佳子長野県地域日本語教室創出支援事業総括コーディネーターの3名から、センターの相談業務について詳しくお話を伺うことができました。お話の後、信州大学教育学部の徳井厚子教授にもお出でいただき、長野県内の日本語教育の取り組みについても伺いました。

以下、参加学生の感想です。

今回の合宿は、長野県の多文化共生の取り組みについてお話を伺うだけではなく、ゼミとして行ってきた活動を客観的に振り返ることができた機会でもあった。以前に長野を訪れた時には、街であまり外国人住民に対する多言語表記の案内やパンフレットを見かけないという印象を抱いていたが、実際は県として外国人支援やインクルージョンを目指して取り組まれていることが分かった。その中でも、外国人住民や日本語指導が必要な子どもたちが各市町村に散在しており、取り組みに対してまだ前向きではない市町村への対応について課題に感じていることが見受けられた。しかし、小規模な自治体では必要な体制を整えることが難しいという現状も想像に難くない。そのため、相談窓口や職員の方の出張など県からの働きかけを継続していくことも重要な支援であると考えた。また、地域の日本語教育の人材不足についても課題として挙げられていたが、「シニア大学」でお年寄りと地域の外国人住民の、やさしい日本語を用いた交流のお話を伺って、両者が自分のコミュニティから少し出て会話を交わすことでも、外国人住民にとって日本語に慣れる機会になりうるのではないかと考えた。また、改めてゼミの活動について振り返ったことで、外国人対する壁や偏見を多くの人に解消してもらえるきっかけになるようなワークショップや発信を、今後も行っていきたいと感じた。今回の自分のプレゼンに対する反省や先輩の堂々とした姿を見たことを、今後に活かしていきたい。(3年 吉留凜)

私は「しんしゅうやさしい日本語大会」で山脇ゼミの活動報告をさせてもらった。想像よりも大きな会場で、到着した時には少し焦りを感じたが、先生を始めとして一緒にいったメンバーが会場内で見守ってくださったので落ち着いて発表することができた。また他の登壇者の方々のやさしい日本語に関する活動内容を聞いて、新しい知識を得ることができた。JICEの長山さんのお話を伺って、外国人財と共に働く時は心構えや文化の違いも大きな壁になることがわかった。日本人にとって当たり前のことが、外国人には当たり前ではないので来年度の活動で企業向けワークショップに参加するときは、是非参考にしてワークショップ内容に盛り込みたいと考えた。今回の合宿は参加者が少人数だったが、大会後に宿泊施設で温泉に入ったり、みんなとゆっくりできたことがとても良い思い出になった。また4年生との最後の活動だったが、最後まで4年生の存在の大きさを感じ、来年度は先輩たちを目指して活動に励もうと思った。(3年 大野晏実)

一日目の「しんしゅうやさしい日本語大会」では、山脇ゼミの活動報告というゼミを代表する立場での参加となった。当日は表情が硬くなってしまい、伝えたいことを伝えられたかは不安であるが、改めて山脇ゼミの活動の幅広さや多さを実感し、来年度も積極的に活動していこうと思った。また、他のパネリストさんたちの報告を伺い、我々13期でも案が挙がっている企業向けのワークショップについて、実現性が高いと感じた。二日目は長野県の外国人相談窓口や長野県の多文化共生に向けた取り組みについてお話をお伺いすることができた。多文化共生を推進していくには、その地域に住んでいる自治体職員や住民が外国人住民について理解する必要があるが、それができていない地域があるという現状を知った。また、外国にルーツを持つ生徒に対する学習・進学支援についてより詳しく知りたいと思ったので、今後も長野市の取り組みについて調べていこうと思った。(3年 坪井結香)

今回の長野合宿は、私にとって最後の山脇ゼミでの活動でしたが、たくさんのことを学び、吸収しながら、宿泊も楽しめて最高でした! 1日目の「しんしゅうやさしい日本語大会」ではパネリストとして登壇させていただきました。事例発表やディスカッションを通して、これまでの2年間、山脇ゼミとしてやさしい日本語の活動を行ってきたことが本当に正しく、意味があるものだったと実感できました。今後も様々な機関が連携して、やさしい日本語をより普及できればと思います。また、2日目には、長野県の多文化共生事情を学びましたが、詳しいプロジェクト内容や長野県の課題まで知ることができ、とても刺激を受けました。この合宿はもちろん、これまでの山脇ゼミでの経験を糧に、4月から社会人として精一杯頑張りたいです。(4年 松村有理惠)

今回の合宿では、しんしゅうやさしい日本語大会に参加し、長野県多文化共生相談センターに赴き、さまざまな視点から長野県を中心としたやさしい日本語や多文化共生の取組についてお話を伺うことができました。その中で特に印象に残っているのは、大会に登壇するゼミ生の勇姿と長野県の多文化共生の取組です。長野県は、広大な県域の中に77市町村を有し、公共交通機関もそこまで便利ではないという事情から、市町村ごとというよりも、東信、南信、中信、北信というより広域な4つの地域に区分し、それぞれの地域ごとで外国人住民が暮らしやすくなるように取組を推進しながら、県も必要に応じて各地域を支援しているのが特徴です。例えば、地域ごとに日本語教室や相談窓口が利用できるよう設置を推進しているほか、県が運営する相談窓口は、遠方に住む人も利用しやすいようオンラインや電話でも対応可能であり、さらに定期的に県内の各地域へ出張相談も実施することで、県域全体のサポートに取り組んでいます。このような取組は、長野県と同様の事情を抱える他地域でも参考になりうるのではないでしょうか。最後に、パネル・ディスカッションに登壇した4年の松村さんが長野県内の学生等に向けて「一緒に頑張りましょう!」と伝えていたように、今回のしんしゅうやさしい日本語大会をきっかけに、学生をはじめとする多くの方がやさしい日本語の普及活動に興味を持ってそれぞれの地域で取り組みを始めたり、山脇ゼミと一緒に活動したりできると嬉しいです。(修士1年 松野有香)

「しんしゅうやさしい日本語大会」では、外国人として、やさしい日本語の事例発表、山脇ゼミの活動報告及びパネル・ディスカッションを視聴しながら、やさしい日本語の魅力と重要性を改めて感じました。大会終了後に、皆さんと一緒に美味しい居酒屋でご飯を食べ、ホテルに戻って温泉にも入れました。2日目は長野県多文化共生相談センターを訪れ、長野県の現状と課題について詳しく伺うことができました。長野県は各市町村に居住する外国人の人数や国籍がいろいろで、多文化共生を前向きに推進しようとするところもあれば、あまり取り組みが進んでいないところもあることがわかりました。また、以前から信州大学の徳井厚子教授の著書を拝読したことがあり、今回お会いして、質問するチャンスがあり、とても嬉しく思いました。これからも外国にルーツを持つ児童生徒への進学・キャリア・就労支援について、より多くの専門家や実践者の話を伺い、いろいろ調査を実施したうえで、論文を完成させたいと思いました。(修士1年 趙暁穎)

(坪井結香)