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国際日本学部

アフリカの布を使って現地女性たちと商品開発!—ジブチの女性の自立支援プロジェクト【岸ゼミ】

2023年02月16日
明治大学 国際日本学部

月に一度のジブチとのオンラインミーティングの様子月に一度のジブチとのオンラインミーティングの様子

ボゴランマーケットに本プロジェクトでつくった服を納品ボゴランマーケットに本プロジェクトでつくった服を納品

 岸ゼミでは、ゼミ生の興味関心・問題意識に基づいて、文化、メディア、教育、テクノロジーのプロジェクトに分かれて活動をしています。そのひとつである文化プロジェクトでは、アフリカのジブチ共和国に住むジブチ人女性たち5名とJICAジブチの協力隊員と協働で、女性たちの雇用創出や収入向上のために、ジブチ国内外向けの商品開発や技術協力を行っています。

ジブチの多くの女性は、伝統的な女性としての役割が社会的に固定された中で生活しています。また外界からの情報も少ないため、なかなか自分たちの可能性に気づいたり、未来を描いたりする機会が得られない現状があります。私たちは、そのようなジブチ人女性たちの「裁縫に挑戦してみたい!」という想いに応えるべく、本プロジェクトを始めました。

具体的な活動としては、月に一度ジブチとオンライン会議を実施し、現地の女性たちと一緒に商品開発を行ったり、販売方法を検討したりしています。本プロジェクトではこれまで、ジブチ国内に住むジブチ人や外国人を主なターゲット層として様々な商品を企画・制作・販売してきましたが、日本国内での販売にも挑戦してみたいという女性たちの想いをから、日本での販売場所を模索していました。そして、ついに、ジブチの女性たちが制作した商品を、杉並区にあるアフリカ雑貨店のボゴランマーケットというお店で販売して頂けることになりました。

以下、本プロジェクトの企画、実施を中心的に行う院生の大谷さん、学部3年生の土橋さんからの活動報告です。

土橋奈穂(国際日本学部3年)
 私がこのプロジェクトに参加することになったのは、院生の大谷温理さんとのまさに運命的な出会いがきっかけでした。もともと私は、ファッションというソフト面での国際協力に携わりたいという漠然とした想いを抱いていました。ファッションというと、医療や土木といったような国際協力に比べて高次な分野であると思いますが、おしゃれをしたり、新しい自分を発見することは、何よりも毎日の生きる喜び・エネルギーになると思います。そんなかたちで国際協力に携われないだろうかと思っていたところ、温理さんと出会い、「一緒にやろう!」ということで本プロジェクトに参加することになりました。
 私自身は、ジブチに行ったことも、国際協力の知識・現場経験もまったくありません。活動を進めるなかで、そんな自分に何ができるのか迷い、悩んだこともありました。しかし、「世界中の女性たちの生き方の選択肢を広げたい」という想いのもと、温理さんをはじめ、現地の女性、協力隊の方々とともに活動を進めてきました。そして今回、アフリカ雑貨店ボゴランマーケットの店長ともお話を重ね、活動やコンセプトに興味を持っていただき、商品を置いていただけることになりました。いくらで販売したら利益がでるのか、どのくらい現地に還元するのかなど、まだまだ分からないことばかりですが、私たちの想いに協力して頂ける方に出会えたことは、とても大きな一歩だと感じています。そのような繋がりに感謝し、今後も活動を続けていきたいと思います。

大谷 温理(国際日本学研究科・修士二年)
 アフリカ雑貨店ボゴランマーケットにて、ジブチに住む友人たちが制作したスカートを販売いただけることになりました。当初、日本の店舗に商品を置いていただけるのか、そもそも需要があるのかなど、不安もありましたが、ジブチの女性たちの以前からの夢でもあった日本での販売を実現することができ、とても嬉しいです。販売を通じた売上が、実際に彼女たちの手に届くまでにはまだ少し時間がかかりますが、遠く離れた日本で自分たちが制作したスカートが販売されることになり、製作者の女性たちもとても喜んでいます。そして「次は、何を作ろう?」「こんなのはどう?」と連絡が沢山きており、彼女たちのやる気はこれまで以上にアップしたと感じています。
 ボゴランマーケットの店主が、私たちの活動に興味を持ってくださり、日本人にはどのような商品が人気なのか、どのような商品が取扱い易いのかなど、販売の実現に向けて丁寧に教えて下さいました。今後も品質やデザイン次第で、スカート以外の商品も取り扱って下さるとのことです。
 これからも、ジブチの女性たちと共に、ジブチ国内向けのみならず、海外販売を視野に入れた商品を考え、試行錯誤をしながら、彼女たちの「やりたい!」「やってみたい!」という気持ちに寄り添っていきたいと思います。