卒業生の声
山脇ゼミが中野区職員を対象としたやさしい日本語ワークショップを担当しました
2024年09月05日
明治大学 国際日本学部
国際日本学部山脇ゼミは2024年7月12日に中野区職員を対象とした多文化共生研修の一環として、やさしい日本語ワークショップを担当しました。当日は、山脇啓造教授による多文化共生に関する短い講義の後、ゼミ生21名が「やさしい日本語(話し言葉編)」のワークショップを行い、27名の職員の方にご参加いただきました。
「多文化共生のまちづくり」を研究テーマとする山脇ゼミでは、2018年度からやさしい日本語の普及活動をしています。やさしい日本語とは、誰にとってもわかりやすいように、尊敬語や謙譲語、熟語を避けて簡単に表記したり、話したりする日本語のことです。
これまで山脇ゼミは、学校の教職員や小中高生、企業などに向けて「やさしい日本語」のワークショップを開催してきており、自治体職員対象のワークショップは2020年度の豊島区研修から始まりました。豊島区役所で2020年12月と2021年12月に、中野区役所では2021年度に2回(8月と1月)、2022年度に2回(7月と10月)、2023年度にも2回(7月と10月)やさしい日本語のワークショップを担当しています。
今回のワークショップでも、出入国在留管理庁と文化庁が策定した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(2020年8月)と「話し言葉のポイント」(2022年10月)を参考に、ゼミ生が作成した練習問題を使用し、難しい日本語を簡単に言い換えるグループワークを行いました。
ワークショップの最初に、外国人住民とのコミュニケーション上の課題である「第三者返答」も紹介しました。第三者返答とは、例えば、外国人住民が日本人の友人と区役所の手続きに行った際、職員が外国人住民から質問されたにもかかわらず、「外国人は日本語を話せなさそう」と思い込むことで、その人を無視した形で日本人(第三者)に返答してしまうことを指します。これをゼミ生が実演し、第三者返答によって外国人住民が不安や疎外感を抱いてしまうという問題を伝えました。
ワークショップの構成は、①導入(やさしい日本語と第三者返答の説明)、②グループに分かれての実践練習、③まとめの3部構成です。導入では、やさしい日本語を使うときのマインドセットやテクニックと共に、第三者返答を引き起こさないために効果的なコミュニケーションの1つがやさしい日本語であることを伝えました。実践練習では、身近な場面(災害対応)や、実際の区役所の業務内容に近い場面(国民健康保険の申請)を想定し、外国人住民役と日本人職員役に分かれて実践練習を行いました。
ワークショップ後に行ったアンケートでは、「やさしい日本語を使った歩み寄りのコミュニケーションの大切さが理解できたか」という問いに対し、88%の方から「非常にそう思う」、12%の方から「そう思う」とご回答いただき、スキルだけでなくマインドセットの大切さも伝えることができたのではないかと思います。また、「グループワークはわかりやすかったか」という問いに対し、60%の方から「大変分かりやすかった」、36%の方から「わかりやすかった」という評価をいただきました。その他、以下のようなコメントをいただきました。
「グループワークを通して社会人の視点と学生の視点の2つの視点から意見交換ができ、普段意識することがないことに気づかされた。また、別の言葉に言い換える難しさを実感でき、とても有意義な時間となった。」
「はさみの法則も第三者返答も知っているだけで外国人対応の心構えが変わると思いました。研修に参加して良かったです、ありがとうございました。」
「ゼミ生が積極的にファシリテートしており、素晴らしかった。」
山脇ゼミの中野区での研修は、今年で4年目、そして毎年2回開催しているので、あわせて7回目となります。国際日本学部が中野区に移転した2013年度以降、区長と留学生の懇談会、なかの多文化共生フォーラム、なかの生涯学習大学との合同ゼミなど、中野区との連携に力を入れてきた山脇ゼミにとって、中野区職員の多文化共生研修を担当させていただくことは、大変有難いことだと感じています。
今回のワークショップでは、前年度の反省を活かし、グループワーク後に全体で意見共有の時間をとり、より良い研修を行うことができました。一方で構成など細部の改善点がありました。今後も改善を重ね、誰もが暮らしやすい「多文化共生のまちづくり」に貢献していければと思います。
「多文化共生のまちづくり」を研究テーマとする山脇ゼミでは、2018年度からやさしい日本語の普及活動をしています。やさしい日本語とは、誰にとってもわかりやすいように、尊敬語や謙譲語、熟語を避けて簡単に表記したり、話したりする日本語のことです。
これまで山脇ゼミは、学校の教職員や小中高生、企業などに向けて「やさしい日本語」のワークショップを開催してきており、自治体職員対象のワークショップは2020年度の豊島区研修から始まりました。豊島区役所で2020年12月と2021年12月に、中野区役所では2021年度に2回(8月と1月)、2022年度に2回(7月と10月)、2023年度にも2回(7月と10月)やさしい日本語のワークショップを担当しています。
今回のワークショップでも、出入国在留管理庁と文化庁が策定した「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」(2020年8月)と「話し言葉のポイント」(2022年10月)を参考に、ゼミ生が作成した練習問題を使用し、難しい日本語を簡単に言い換えるグループワークを行いました。
ワークショップの最初に、外国人住民とのコミュニケーション上の課題である「第三者返答」も紹介しました。第三者返答とは、例えば、外国人住民が日本人の友人と区役所の手続きに行った際、職員が外国人住民から質問されたにもかかわらず、「外国人は日本語を話せなさそう」と思い込むことで、その人を無視した形で日本人(第三者)に返答してしまうことを指します。これをゼミ生が実演し、第三者返答によって外国人住民が不安や疎外感を抱いてしまうという問題を伝えました。
ワークショップの構成は、①導入(やさしい日本語と第三者返答の説明)、②グループに分かれての実践練習、③まとめの3部構成です。導入では、やさしい日本語を使うときのマインドセットやテクニックと共に、第三者返答を引き起こさないために効果的なコミュニケーションの1つがやさしい日本語であることを伝えました。実践練習では、身近な場面(災害対応)や、実際の区役所の業務内容に近い場面(国民健康保険の申請)を想定し、外国人住民役と日本人職員役に分かれて実践練習を行いました。
ワークショップ後に行ったアンケートでは、「やさしい日本語を使った歩み寄りのコミュニケーションの大切さが理解できたか」という問いに対し、88%の方から「非常にそう思う」、12%の方から「そう思う」とご回答いただき、スキルだけでなくマインドセットの大切さも伝えることができたのではないかと思います。また、「グループワークはわかりやすかったか」という問いに対し、60%の方から「大変分かりやすかった」、36%の方から「わかりやすかった」という評価をいただきました。その他、以下のようなコメントをいただきました。
「グループワークを通して社会人の視点と学生の視点の2つの視点から意見交換ができ、普段意識することがないことに気づかされた。また、別の言葉に言い換える難しさを実感でき、とても有意義な時間となった。」
「はさみの法則も第三者返答も知っているだけで外国人対応の心構えが変わると思いました。研修に参加して良かったです、ありがとうございました。」
「ゼミ生が積極的にファシリテートしており、素晴らしかった。」
山脇ゼミの中野区での研修は、今年で4年目、そして毎年2回開催しているので、あわせて7回目となります。国際日本学部が中野区に移転した2013年度以降、区長と留学生の懇談会、なかの多文化共生フォーラム、なかの生涯学習大学との合同ゼミなど、中野区との連携に力を入れてきた山脇ゼミにとって、中野区職員の多文化共生研修を担当させていただくことは、大変有難いことだと感じています。
今回のワークショップでは、前年度の反省を活かし、グループワーク後に全体で意見共有の時間をとり、より良い研修を行うことができました。一方で構成など細部の改善点がありました。今後も改善を重ね、誰もが暮らしやすい「多文化共生のまちづくり」に貢献していければと思います。
(国際日本学部 4年 中込伶唯)