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国際日本学部

山脇ゼミが横浜市内の小中学校教員を対象にやさしい日本語のワークショップを実施しました

2024年09月13日
明治大学 国際日本学部

国際日本学部の山脇啓造教授と山脇ゼミの学生14名は2024年9月3日に横浜市立南吉田小学校を訪問しました。学校の外国人児童に対する日本語支援の様子を見学させていただいた後、横浜市内の外国人児童に関わる小中学校教員を対象としたやさしい日本語ワークショップを行いました。横浜市内の教員を対象としたワークショップは去年に続き2回目で、学校教員を対象としたワークショップは通算で4回目になります。

南吉田小学校は、児童の半数以上が外国につながりを持っており、日本語を学び始めたばかりの児童も多く在籍しています。そのような児童は日本語支援拠点施設「ひまわり」や学内で初期指導を行う日本語教室や学習に必要な日本語を学ぶ国際教室で日本語学習をサポートしています。ゼミ生は、日本語教室や国際教室の授業や通常の授業で学ぶ様子を見学させていただきました。

その後、ゼミ生たちがやさしい日本語のワークショップを行い、20名の教員の方々にご参加いただきました。教員2、3名のグループにゼミ生1、2名がファシリテーターとして加わり、南吉田小学校の学校だよりを参考に、やさしい日本語に書き換えるワークを行いました。各グループでは日頃から外国人児童や保護者と関わる教員の方々と意見交換をすることができ、ゼミ生にとっても学びの多いワークショップになりました。

なお、ワークショップに参加したゼミ生の一部は、前日に横浜市に宿泊し、海外移住資料館や先進的な多文化共生の取り組みを進める横浜市国際交流協会(YOKE)及びなか国際交流ラウンジを訪問した後、南吉田小学校に向かいました。YOKEでは、YOKEの取り組みについて伺うと共に、小野﨑信之理事長を始めとする職員15名を対象としたマイクロアグレッションのワークショップも実施しました。

学校教員ワークショップ後のアンケートでは、以下のような感想をいただきました。

「やさしい日本語に慣れていても、考えれば考えるほど身になる内容だと感じました。ゼミの方がポイントをまとめながら、進めてくださるので限られた時間でしたが充実した時間でした。」「新たに学んだことや、改めて大切なことを実感できたりしました。練習では、考えたり気付かされたりしました。ファシリテーターの方がいて、スムーズでした。司会の方々もテンポよく進んでいて、良かったです。」「素晴らしいプレゼンテーションで、やさしい日本語の大切さに改めて気付かされました。みなさんが研究された資料や内容を、ぜひ、横浜市の国際教室に発信させてください。」「改めて母語が日本語でない保護者の方や子どもたちに向けて話すときに、やさしい日本語を使えているかどうか気にしながら話そうと思いました。文章や予定の言い換えを練習が、明日すぐ使えるようなワークで良かったと思います。」「教員相手に研修会を運営するのは大変だったと思います。これからも普及に向けてどうぞよろしくお願いいたします。」

以下は、今回のワークショップの企画を担当した学生の感想です。

「全体を通して、去年の反省点を活かしながら、よりよいワークショップを行うことができたと思います。去年のワークショップの良さを活かしつつも、実際の「学校だより」を使用したり、ワークシートの構成に変更を加えたりすることで、より実践的な学びを参加者の方に体験していただけたかと思います。良かった点が多かった一方、参加者の方からの貴重なご意見や実際にワークショップを行って感じた反省点を踏まえ、これから改善すべき点も明らかになりました。総じて、これからの自分の成長・山脇ゼミの成長に向けて、非常に有意義な経験となりました。」(4年 藤田千颯)

「全体を通し、非常に有意義なワークショップでした。ワークショップ実施前に南吉田小学校を見学させていただきましたが、子どもたちが特段『共生』を意識することなく、ごく自然に生活したり、一緒に学び、遊んでいる姿が印象的でした。子どもたちが大人になっても『別に多文化共生って特別なことじゃなくない?』と言えるような社会をつくるのが私たちの役目だと感じました。ワークショップでは、やさしい日本語を普段使用されている教員の方々とお話しすることができました。作成したワークへのお褒めの言葉やご指摘をいただき、ワークショップをつくることや、やさしい日本語への書き換えの難しさを改めて実感しました。」(3年 木村奏美)

「今回のワークショップで私は司会を担当しました。学年だよりをやさしい日本語に書き換えるという発想は去年のものから引き継ぎつつ、問題の内容やアプローチの仕方を工夫して作り直したワークが効果的だったという声をたくさんいただき、期待以上にやりがいを感じました。直前に訂正箇所を発見したり、ワークに取り組む時間の調整が不十分だったりと課題は散見されましたが、フィードバックをもとに次回以降のワークショップに活かせられるようブラッシュアップしていきたいです。」(3年 木内彬乃)

今回のワークショップでは、実際の南吉田小学校の学校だよりをベースに問題を作成したため、参加していただいた先生方に実際の現場を想定して問題に取り組んでもらうことができたように感じます。私は事前準備ではワークシートの作成、当日は司会を担当しました。当日は問題数が多く、ワークに取り組む時間が足りなかったため、次年度は時間配分に気を付けることが課題だと思いました。一緒に準備を進めてくださった方、当日ファシリとして参加してくださった方、ありがとうございました。(4年 中塩千尋)