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商学部

加藤拓巳専任講師が味の素株式会社との共同研究で通勤時間の増加による和食の習慣減少を明らかに

2024年10月29日
明治大学 商学部事務室

本学商学部の加藤拓巳専任講師は,味の素株式会社との共同研究で,朝食での和食の習慣と通勤時間の関係を評価し,国際カンファレンスで成果を発表しました。

概要:和食(日本食)は, 味や健康だけでなく,UNESCO 無形文化遺産への登録,日本アニメーションの海外人気に伴う食事シーンへの注目などの要因が加わり,世界的にますます注目されている。しかし,日本人の食事習慣が西洋化していることで,和食の衰退が懸念されている。食文化が変化する要因として,既存文献では移民の増加,経済のグローバリゼーション,食品業界の戦略などが報告されてきた。本研究では,都市化による通勤時間の増加という新たな視点を導入した。日本における20-60代の労働者への調査を分析した結果,通勤時間が長くなることで,朝に和食を摂る習慣が減少することが示された。和食は健康的である反面,準備に手間がかかるため,自由な時間が減ると和食を断念してしまう懸念がある。さらに,その悪影響は,電車よりも車で通勤する人々で顕著であった。日々の通勤の運転は,楽しみよりも労働の印象が強いことが原因だと推察できる。食は,他の国にはない独自の文化であり,貴重な資源でもある。その文化を守るためには,都市化による悪影響として食文化の衰退が含まれることを認識する必要がある。また,この結果は,和食を食べたくても諦めてしまう人々の心理を読み取れることから,飲食業界の出店戦略にも寄与する。

出典:Yoshimura, W. & Kato, T. (2024). Declining Japanese eating habits in the morning due to long commutes and driving. Communications in Computer and Information Science, 1-10, Springer.

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