人間にとって「表現」とはきわめて重要な自己実現のありかたであった。「表現」の歴史を押さえたうえで、「自己実現のための表現」の実践を行なう。モノから始まった日本の「近代」は「精神」に及び、しかし究極は言葉・表現の問題に及ぶ。一方では「制度」の問題として、一方では「実践」の問題として。そのような状況を福沢諭吉・森鷗外・二葉亭四迷・上田万年等々様々な資料を読みつつ整理・検討した上で、「表現」と切実な形で切り結んだ状況を自らに引き寄せた「実践」を試みてみよう。文体模倣・翻訳遊び・虚構の自伝等々様々なメニューを用意している。