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国際日本学研究科

特別講義「日本のタンゴ文化史〜西洋を越えた『憧れ』」を開催します

開催期間:2025年07月03日
明治大学 国際日本学研究科

本講演では、2025年2月に刊行された麻場友姫胡氏の単著『Tango in Japan: Cosmopolitanism Beyond the West』を基に、1913年から1940年にかけての日本におけるタンゴの黎明期に焦点を当て、タンゴがいかに「ニュース」、舞台公演、趣味、そして音楽ジャンルとして育まれ、当時の日本社会にいかなる影響を与えたかを紐解く。
タンゴの普及に伴い、北米、フランス、イギリスのダンス教師によって体系化されたダンススタイルの急増が見られ、1920年代後半以降、アルゼンチンタンゴ音楽を「本物」として高く評価するタンゴ音楽愛好家による国内シーンが創られていった。当時の日本におけるタンゴの受容史は、国内外の階級・人種意識から強い影響を受ける一方、日本—西洋の軸を超えた「憧れ」をめぐる、矛盾に満ちた重層的なモダニティ構築を示している。
 
○日時:2025年7月3日(木)17:30~
○場所:明治大学中野キャンパス 413教室
○講師:麻場友姫胡
〇企画:張佳能(明治大学 国際日本学研究科 特任講師)

 



◆講師紹介◆
麻場友姫胡(Yuiko Asaba)
ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)音楽学部講師。ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校音楽学部博士課程(Ph.D.)修了。ラテンアメリカのポピュラー音楽とアジア太平洋地域におけるその流通に焦点を当て研究を行っている。
主著に、単著 Tango in Japan: Cosmopolitanism Beyond the West(University of Hawaii Press, 2025. 米国音楽学会 AMS 75 PAYS 受賞)のほか、Ethnomusicology Forum、East Asian Journal of Popular Culture、Cambridge Companion to Tango などでの査読論文がある。米国民族音楽学会(SEM)幹部メンバー。また、タンゴ・バイオリン奏者でもあり、ファン・デ・ディオス・フィリベルト・アルゼンチン国立管弦楽団、日本ではオルケスタ・アストロリコなどの演奏者メンバーとして活動した。
 
明治大学大学院