CO2増加に拍車をかける化石燃料。その代替エネルギーの最有力候補が太陽光や水力などの自然エネルギーです。「グリーングリッド」は電力をネットワーク化して賢く使うシステムを指す「スマートグリッド」の自然エネルギー版ですが、自然エネルギーは貯蔵や需給バランスの調整に問題を抱えています。
沖縄にある揚水式発電所は、電気が必要な時は池から海へ水を流すことで発電し、電気が余る夜間は海水を池に貯蔵できる、いわば化石燃料ゼロ・フリーの道を拓く「蓄電所」といえますが、コストや環境への配慮から増設は見送られています。そこで近年注目されているのが「蓄電池」です。この蓄電池も電力エネルギーネットワークという観点から見ると課題があり、現在さまざまな蓄電池の特性を合わせた、低コストで高性能な電力貯蔵システムの研究が進められています。
こうした課題に取り組むべく、ネットワークデザイン学科では計算機を使ったシミュレーションを中心に行い、今後は実験も増やす予定です。研究から海外での商談までこなしてきた経験をフィードバックしながら、学生にはさまざまな人々や言語を通じて、産業界における、世界の動きを肌で感じとってもらいたいと思います。