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情報コミュニケーション
学部

小田光康ゼミナール、SGU事業の一部助成を受け、タイで感染症予防のゲーム教材の調査実施

2018年04月12日
明治大学

チェンマイの小学校で児童に狂犬病について説明するチェンマイ大医学部のウィライワン教授チェンマイの小学校で児童に狂犬病について説明するチェンマイ大医学部のウィライワン教授

学生が開発したゲーム教材を楽しむタイの小学生学生が開発したゲーム教材を楽しむタイの小学生

タイ・ミャンマー国境を警備するタイ兵士と番犬。狂犬病のイヌは国境を越えてやってくるタイ・ミャンマー国境を警備するタイ兵士と番犬。狂犬病のイヌは国境を越えてやってくる

狂犬病の恐ろしさや対策を訴えるタイのニュース番組狂犬病の恐ろしさや対策を訴えるタイのニュース番組

 情報コミュニケーション学部の小田光康ゼミナールでは、本学「スーパーグローバル大学創成支援」事業のプログラム促進助成を一部受け、東南アジアの感染症予防のメディア教育開発調査研究を2018年3月10日から3月17日にタイ・チェンマイで実施しました。これまでの研究成果や学内外の専門家の意見を採り入れて、学生がゲーム教材のプロトタイプを独自に開発し、タイ・チェンマイ県にある寺院と小学校で予備的な効果測定を実施しました。

 本研究は、アジア諸国での狂犬病などの人獣共通感染症の清浄化を通じたコミュニティの保健・公衆衛生面でのサステイナビリティや貧困撲滅を目的に、2015 年度からタイ・チェンマイ大学医学部との共同研究として開始され、本学農学部の纐纈雄三研究室、国立感染症研究所と東京農工大学国際家畜感染症防疫研究教育センターの協力を仰ぎながら、現地での情報コミュニケーション学的なフィールドワークを実施してきました。2015 年度にはタイ・チェンマイ市内での行政やNGOによる狂犬病対策に関する実態調査、2016年度にはチェンマイ県内での小学校・中学校の児童・生徒のメディアと狂犬病に関する意識調査を実施しました。

  この結果、1)チェンマイ県では言語や民族、経済状況が多様であり、学校別で教育カリキュラムが異なること、2)タイ国内での携帯電話の普及率は非常に高く、山岳少数民族や難民・不法移民の子どもたちでも利用していること、3)タイの児童・生徒が頻繁に利用するメディアはスマートフォンで、主にゲームやSNSに利用されていること、などが分かりました。2016年度までの調査結果については2018年6月に米国オレゴン大学で開かれるInternational Association for Media Communication Researchの学術集会で小田准教授が発表する予定です。

 これら情報コミュニケーション学の調査研究の知見をもとに、医学・獣医学・公衆衛生学の人獣共通感染症専門家やゲーム業界のプロフェッショナルといった学際的かつ産学協同的な見地から、非言語的な情報伝達が可能で、かつ、年齢や国家を超えて普及が見込まれるメディア教材としてのスマートフォンのゲームが有効な感染症予防のメディア教材となると考え、このプロトタイプの開発を学生が担当しました。