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「3分の1のパン屋さん」を夜の駿河台キャンパスで開店しました

2021年10月26日
明治大学 情報コミュニケーション学部事務室

開店前の島田ゼミ生たちのようす開店前の島田ゼミ生たちのようす

開店の17時30分の直後から盛況となりました開店の17時30分の直後から盛況となりました

学生が連携を取りながら次々とパンが運ばれました学生が連携を取りながら次々とパンが運ばれました

小さなお客様にもご購入いただきました小さなお客様にもご購入いただきました

店頭には「明治大学SDGsコーヒー」も並びました店頭には「明治大学SDGsコーヒー」も並びました

 国連が制定した世界食料デーにあたる10月16日(土)、駿河台キャンパスで「3分の1のパン屋さんat明治大学」が開かれました。これはホームレス状態の方の自立支援を後押しする「ビッグイシュー」協力のもと、情報コミュニケーション学部 島田剛ゼミナールの学生が、都内各所のパン販売店から売れ残りそうになった商品を買い取って販売する取り組み。
 店名にある「3分の1」には2つの意味があります。1つは世界で年間生産される食料の約3分の1にあたる約13億トンが廃棄されているということ。もう一つは製造者と小売店の間で存在する「3分の1ルール」という慣習。生産から賞味期限までを3ヶ月としたとき、最初から3分の1の期間にあたる1ヶ月以内に店舗納品できなければ、残りの日数にかかわらず価値が下がり廃棄されることもあります。フードロスの背景には2つの“3分の1問題”があり、この問題意識から店名が名付けられました。学生たちは閉店間際に残りそうなパンを提供してもらって売ることで、フードロスの意味について考え、削減の重要性を伝えました。

 開店の17:30から行列が絶えず、次々と商品が運ばれて店頭に並ぶものの、開始から2時間余りで仕入れたパン83個が見事完売しました。
 店頭にはパンだけではなく、焙煎されたコーヒー豆も並びました。これは「明治大学SDGsコーヒー」という商品で、コロンビアの障がいを持った方が作った高品質な豆を島田ゼミの学生が仕入れて製品化したもの。今年1月の発売以来、感染症拡大の影響で大学のオンラインストアのみで取り扱っていましたが、この日初めて対面での販売が叶いました。

 参加した学生は「今回の取り組みで“売り手”としてフードロスについて考える機会を得ました。この経験を生かして、今後は“買い手”としてもこの問題に向き合い続けていきたいです」(4年・萩原 聖さん)、「予想以上に多くのパンが集められ、フードロス問題の深刻さを実感しました。頭で考えるだけではなく行動に移すことの大切さも再認識しました。今後もコロナ禍ではありますが、積極的に活動していきたいと思いました」(3年・畑野日向子さん)、「当日はたくさんの方に足を運んでいただき嬉しかったです。これを機に少しでも多くの人がフードロスに関心を寄せてくれればと思うと同時に、私たちもこの問題をもっと身近で切実な事として捉えなくてはと実感しました」(3年・曾我隼太さん)といった感想がありました。
 この取り組みを支援したビッグイシューの佐野未来氏は「豊かなはずの日本で困窮して1食にも困る人がたくさんいます。同時に日本の安い食料の多くは製造過程で国内外の労働者を搾取しています。協力パン屋さんは捨てないことにすでに取り組まれていますが、今回、美味しい食べ物を通じて、なぜ廃棄するのか?といった疑問から、構造的な課題についても考えていくきっかけにしてもらえたら嬉しい」と話します。

 世界的な記念日と連動しながら購入者とつながりを得ることで、学生にとって食料廃棄問題を考える機会となった。売り上げの全額はビッグイシュー基金に寄付され、生活困窮者の支援やボランティア活動に役立てられます。

(提供パン屋一覧)
・Pistrina Dio ~ピストリーナ ディオ(東京都北区王子)
・ル・ミトロン・食パン 小石川店(東京都文京区)
・toi(北海道・十勝)
・Baker’s Pantry(東京都世田谷区)
・高級食パンしなのごころ カウベル亭(東京都新宿区)
・エスプリドゥ(東京都江戸川区)