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教員と学生による座談会

教員と学生による座談会

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コロナ禍における国際交流の在り方

——コロナ禍における国際交流の現状について感じていることをお聞かせください。
大黒 「世界のキャンパスから」という科目の最終回では、「AI時代に果たして外国語の習得は必要なのか」をテーマに取り上げ,現代における自動翻訳、ポストコロナ・Withコロナの時代の外国語習得について議論しましたが、学生の興味関心を惹いたのか、大きな反響がありました。現在留学ができないという状況下で、どのように国際交流に取り組むか、その答えが「世界のキャンパスから」にはあったように思います。リモートだからこそ国際交流やグローバル化が進むという逆説的な現象が起きているように感じています。その点についてはいかがでしょうか。

フィリピンのヌエバビスカヤ州で農村女性にインタビュー調査を行うゼミ生

髙橋 グローバルな研究機関や教育機関が提供するさまざまな機会に参加できるようになったのは非常に大きなメリットです。知識の習得が進むと同時に、興味・関心も広がっていくのではないでしょうか。逆に大きな課題があると感じているのは、国際協力・国際開発の面についてです。これらの活動においては「現場を知る」ことが不可欠です。私のゼミでは 、フィリピンの首都マニラのインフォーマル居住区、一般的にはスラムとも呼ばれるようなところに赴き、現地の方々から話を聞くということを行っています。そうしたところでは、電気や水道へのアクセスも十分でなく、廃材などを集めて作った家に住んでいる人も少なくありません。日差しの強さ・照り返し、匂い、ぬかるみや砂埃の状態など、自分の五感をフルに使って現場を感じ取ること、そのような状況下で住民に直接お話を聞くことが重要なのです。今はオンラインでインタビューすることもできますが、現場で聞くと異なる回答が得られ、理解が深まったり新たな疑問が湧いてきたりします。こうした経験をどのように補完するのかが今後の大きな課題ではないでしょうか。

明治大学SDGsコーヒー

島田 コロナ禍の特徴として挙げられるのは、日本国内と海外がつながらざるを得なかったということだと思います。人間は感染拡大を防ぐため、自由に動くことはできませんが、ウイルスは簡単に国境を越えることができます。その結果、貧困層が大きな影響を受けています。これは今や国内だけの問題ではなく、世界の至る所で起きている現象です。私のゼミではこの1年、中山さんを中心に「明治大学SDGsコーヒー」という、コーヒーを通じて海外の問題と国内の問題をつなげて考えるプロジェクトに取り組んできました。国際化は大切だと思いますが、今大学に求められているのは「国内」と「国外」の問題をつなげるような取り組みではないでしょうか。
  「明治大学SDGsコーヒー」紹介ページ ▷JIMBOCHO COFFEE

「インドシナ経済回廊研修プログラム」現地学生との交流

中山 知識の習得や興味の拡大については、壁がなくなったように思います。私自身も一昨年、情コミ学部の国際交流プログラム「インドシナ経済回廊研修プログラム」で スラムを訪れました。とても衝撃的だったのが、現地の方が「自分たちは幸せだ」と答えたことです。この経験から本当の意味でのコミュニケーションはオンラインでは難しいという結論に至りました。同時に豊かさの定義についても考えるようになりました。島田先生の話にもありましたが、コーヒーは先進国と発展途上国の間の格差問題を多くはらんでいます。フェアトレードという言葉もありますが、お互いの価値を認め合い、フェアという概念そのものがなくなればよいという考えに至り、プロジェクトに取り組みました。この経験を通じ、価値観をすり合わせてお互いの国の生活がつながったように思います。自分の行動次第ではより深いコミュニケーションが可能になる時代だと感じています。

スティグリッツ先生との意見交換会

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島田ゼミでは,「明治大学SDGsコーヒー」のプロジェクト以外にも,様々な国際交流を行っています。
その一つとして,スティグリッツ先生(ノーベル経済学受賞者)との意見交換を行いました。ぜひ,動画をご覧ください。
  意見交換の動画公開ページ ▷インタビュー