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教員と学生による座談会

教員と学生による座談会

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さまざまなことに興味関心を抱き何者かになる道を探る場所

——明治大学の情コミとはどのような学部だと思いますか?情コミを目指す高校生にメッセージをお願いします。
小林 自分の中にあるエネルギーをうまく発散する場所、それが情コミという自由な空間だと思っています。自分でもよくわからないモヤモヤを抱えている人ほど、向いている学部なのではないでしょうか。そういう学生が集まって一緒に道を探していく中で、私たちは学びを提供しています。

髙橋 最近の社会は結果を出すために、効率を重視して最短ルートを目指す風潮にあります。高校時代から何になりたいのかと考える人もいるでしょう。しかし、情コミの学生には、あえて回り道、つまり非合理的であったり非生産的だとされるようなことを楽しんでもらいたいと思います。意図せずに、自分がこれまで抱いていた関心とは全く異なるものにふれることによって、興味の幅が広がっていくはずです。ひとつでもいいので、自分の人生の中で心に引っかかる何かを見つけてもらえればうれしいです。

島田 自分の疑問を大切にできる人にきてほしいですね。たとえばコロナ禍で多くの方が感じているであろう 「寂しさ」についてですが、この「寂しさ」は経済学では測れません。経済学では幸福度をGDPで表しますが、GDPが高いはずの日本は自殺率が高く、みな寂しさを抱えています。不安な気持ちや、「何を幸せと考えるか」はひとつの専門性だけで測ることはできないと思います。それらをさまざまな方面から見ることができるのは、情コミならではだと思います。経済学からも心理学からも自然災害からも歴史からも、とにかく多様な分野から見ることができるのです。そのためには疑問を抱くことが大切だと思っています。そういう人に多くのものを提供できる学部、それが情コミだと思います。

大黒 情コミは研究と現実が結びついている学部だと思います。とにかくまず「学ぶ」のではなく、現実に対峙し、その結果「学ぶ」ことが生まれるのです。それが情コミの学問の在り方です。また、本学のポリシーは「個を強くする」ですが、現在のこのコロナ禍の状況はまさに「個を強くする試練」だと私は捉えています。社会は「個」が集まって成り立っていると考えがちですが、「個」と「社会」の間にはコミュニティ(組織)があります。情コミはある種ゆるく個を結び付けているコミュニティなのです。自由を重んじながらも弾力的にくっついたり離れたり、距離感を探りながら「個」を集めるコミュニティであり続ける。それはカリキュラムにも反映されていると思います。このような考え方に共鳴できる方に入学してほしいです。

須田 私たちは「何者」かになりたい学生を求めています。「何者」とは医者や弁護士といった職業ではなく、「国際貢献したい」とか「社会的な経済格差をなくしたい」などの思いをもっている人のことを指します。もしくは,何をやりたいかがまだわからない人に入学してほしいと考えています。情コミでさまざまなことにチャレンジし、その過程で自分のやりたいことが見えてくるのではないかと思います。好きなこととやりたいことが別であったり、向いていないものがわかったり。そうしたことをさまざまな学問を通じて学ぶことができる場所です。

中山 情コミは,なりたい将来像がぼんやりとでもある人が成長できると思います。たとえば先ほど話にも出た「神保町コーヒープロジェクト」ですが、コロナ禍だったために,実現の難しいプロジェクトで、多くの方の支えが必要でした。プロジェクトを実行できたのは,実践を重視している情コミならでは、情コミしかないと思っています。「こういう自分になりたい」という思いのある方は、ぜひ情コミでの学びを将来への足がかりにしでほしいです。

長岡 情コミには多彩な授業がありますが、その授業で学んだことをほかの授業でいかすことができ、まったく違う授業の中でつながりを見いだすこともあります。そうした経験を踏まえて、「自分ができることは何なのか」を考えるきっかけがつかめると思います。

小山 情コミではさまざまな分野について学ぶため、自分の適性を見極めたり、新しく興味のあることを見つけたりすることができます。授業以外にも、自分で何かを考え、コミュニケーションを図る中で学ぶこともできます。外部講師の方からお話を聞く機会も豊富にあります。将来何をしたいか迷っている方、自分自身を見つめたい方に入学してほしいです。

深野 漠然とした興味関心を抱いている人に向いている学部が情コミだと思います。色々な切り口で興味や関心、疑問を感じることができ、そこから新たに学びたいことも見えてくるはずです。

大黒 コロナ禍で社会全体がネガティブになっていますが、「コロナさえなかったら○○だったのに」と,後ろ向きに考えるのではなく、「コロナだから○○できる」「コロナでなければできないことがある」とポジティブに考えたほうがよいと思います。受験生のみなさんもこの状況をできるだけ前向きに捉え、志望校選びをしてください。

今回の座談会は,学部長を始めとする教員と学生たちがオンラインツールを使い語り合いました。