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国際日本学部

岸ゼミが奈良県の小学校と合同オンライン教員研修を実施

2020年06月02日
明治大学 中野教務事務室

2020年5月25日に、奈良県御所市御所小学校から依頼をうけ、御所小学校と岸ゼミの合同オンライン教員研修を実施しました。本研究の企画、準備、実施は、教育工学を学ぶ岸ゼミの学生10名です。ビデオ会議システムZoomを活用した小学校でのオンライン授業を、現場の先生方がイメージできるようになることをめざしました。ICT活用やオンライン授業に対して不安や抵抗感がある先生方も多くいましたが、楽しくICTを使いながら、やってみたいこと、できることを増やせていけることを目的としました。

当日は、近隣の名柄小学校の先生方もご参加くださり、企画の学生10名を含め、御所小学校と名柄小学校の教師の合計38名でのオンラインでの教員研修となりました。

以下、各活動を企画した学生からの報告です。
文責:岸磨貴子

 
ギャラリービューを活用した活動の提案(報告:岸ゼミ3年生 安田舜)
岸ゼミの堀田栞奈さん(4年)、小野祐人さん(3年)、赤尾侑哉さん(3年)、安田舜(3年)で、Zoomの機能のひとつ「ギャラリービュー」を使った学習活動を企画、提案しました。ギャラリービュー表示・チャット・反応を組み合わせた「クラスで〇〇な人は何人?」と問いかけるクイズを先生方に体験していただきました。クラス全員の顔を一覧で見られるギャラリービューの特徴を活かした活動で、簡単にはじめることができ、アイスブレイクにもなると、先生方から評価いただきました。子どもたちがカメラのON/OFFだけで参加でき、また、先生だけではなく子どもたちもクイズづくりに参加できることから、子どもの授業への参加意識を高めれるのではないかと期待しています。この活動を通して、授業や学活で何ができるかについて意見交換し、学校の先生ならではのアイデアやフィードバックをたくさんいただけました。私達ゼミ生もたくさんの気づきが生まれた研修となりました。今回の経験を踏まえて、今後も引き続きどのような活動ができるか考えていきたいと思います。


Zoomのチャットを活用した活動の提案(報告:岸ゼミ3年生 川嶋智史)
この活動は岸ゼミの松木響子さん(4年)、山本耀介さん(3年)、川嶋智史(3年)で企画、提案しました。反省点と収穫を交えながら報告します。私たちはチャット機能を活用した活動を2つ提案しました。「ここどーこだ?ゲーム」と「サイレントしりとり」の2つです。これらの企画立案の際に、Zoomの他の機能では代用が効かない、チャット機能ならではの活動という観点を意識しました。先生方からフィードバックいただいたことは、チャット機能を用いたアクティビティは、子どものタイピングスキル(例えば、ローマ字入力ができるかどうか)に依存するため、参加できない子どもができるという点でした。誰でも積極的に参加できるように、紙やペン等のアナログ媒体と併用するなどして改善した活動を今後提案したいと思います。改善点について先生方からフィードバックいただけたのは、大きな収穫になりました。今回の経験をもとに小学校の子どもを対象としたオンラインの活動を考え、提案していきたいと思います。


アウトブレイクの機能を活用した提案(報告:岸ゼミ3年生 田ジウン)
岸ゼミの佐藤大輔さん(4年)、内田美涼さん(4年)、朝倉民さん(3年)、田ジウン(3年)でアウトブレイクの機能を活用した活動を企画、提案をしました。先生方がアウトブレイクの機能を理解して、授業で活用するイメージがもてるような企画を作りたいとメンバーとたくさん話し合いました。今回提案した企画は『伝言お絵描き』、『問題解決ゲーム』、『しりとりでお話し作り』です。どれもグループ活動と全体シェアによって内容を深めることができる活動です。オンライン合同研修会では提案した3つの企画のうち『伝言お絵描き』を経験いただきました。オンライン活動だからといってオンライン・ツールだけを利用するのではなく、小学生も参加しやすいように、子どもたちが使いなれている紙やペンと併用して使える活動にしまhした。先生方からは「高学年でよく実施されるディベートの授業がオンラインになると難しくなるのではないかと思っていたけど、ブレイクアウトセッションを利用したゲームによって可能性が見えた」という意見もあり、実際の教育現場での活用に一歩近づけることができたのではないかと思いとても嬉しかったです。私自身も、今回のゲームを企画するに当たって、活動を通して伝えたいことを適切に伝える工夫についてたくさん学ぶことができました。オンラインでのコミュニケーションは相手を画面越しに接している分、言葉の説明以外での伝達方法が必要になってくると思います。だからこそ、伝えたいことを活動に十分溶け込ませる工夫はこれからも大事にして行くべきだと思います。今回の研修はこれを学ぶための最初のステップになりました。


全体を通して(報告:岸ゼミ3年生 小野 祐人)
合同オンライン教員研修を開催するにあたって、全体のオンラインファシリテーターを担当しました。御所小学校との合同オンライン研修を実施するにあたり、事前に小学校の先生との打ち合わせを行い、当日を迎えました。合同オンライン研修を通しての一番の発見は、「聞く(Active Listening)」の重要性です。聞くためには、表情や相槌やジェスチャーなどすべてが重要です。オンラインでは意識的にこれらを見せていく必要があります。聞く力を高めることができれば、オンラインだけではなく、今後、対面で人に会えるようになった時、今よりもより良いコミュニケーションができるように思います。オンラインファシリテーターを努めた経験からも多くを学びました。オンライン/オフライン(対面)にかかわらず、ファシリテーターの話し方や表情などでその場の雰囲気は左右されます。ファシリテーターは、議論を円滑に進めたり広げたりするだけでなく、参加者が発言しやすい雰囲気を作ることも重要な役割だと気付きました。本合同オンライン研修を一緒に企画した担当の先生から、オンラインでのコミュニケーションには不安があったが一歩を踏み出せた、と言っていただきました。小学校の先生方と一緒に合同でオンライン研修を実施することができ、私自身とても充実した経験となりました。


★合同オンライン教員研修のウェブページはこちら
http://m-kishi.com/seminar/workshopseminar/