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国際日本学部

山脇ゼミが学習支援団体とコラボし、外国人の子どもが日本語を学ぶ動画を制作

2020年10月05日
明治大学 中野教務事務室

 明治大学国際日本学部の山脇啓造ゼミ(多文化共生論)は、キャンパスのある中野区を活動拠点として、「多文化共生のまちづくり」に取り組んでいます。今年度は、オンラインでの活動に力を入れ、中野区長と外国人住民の懇談会や小学校高学年向け多文化共生ワークショップのオンライン開催や「やさしい日本語」を使ったコロナ関連情報の動画や国民健康保険を紹介する動画を制作しています。

中野区に暮らす外国人は近年急増しました。コロナ禍の影響によって、今年2月以降、減少傾向にありますが、2万人近い外国人が暮らし、住民の約5%を占めています。中野区の小中学校で学ぶ外国につながる児童生徒も急増しました。

今回、山脇ゼミがコラボしたのは、国内外の貧困家庭の子どもの学習支援のための教材を制作する一般社団法人キャメル(中野区)です。山脇ゼミの3年生有志が、日本語教師の助言を得ながら、パワーポイントのスライドを使って、初級レベルの日本語を学ぶスライドを作り、自らカメラの前でやさしい日本語で解説しました。今回作った動画シリーズ「がっこうでつかうにほんご」は、全部で20本(計約70分)あります。東京都教育委員会の日本語テキスト「たのしいがっこう」を参考に制作しました。

東京都教育委員会:外国人児童・生徒用日本語テキスト「たのしいがっこう」
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/japanese/tanoshi_gakko.html


完成した動画はキャメルのウェブサイトでも無料で閲覧できます。また、中野区の教育関係者や支援団体等を通じて、中野区内の外国につながる児童生徒に無料で動画を収めたDVDを配布する予定です。

キャメル・ウェブサイト https://www.camel123.jp/

また、今回の動画は文部科学省のホームページ「外国につながる子供向けの教材が知りたい!」に紹介されました。(10月14日加筆)
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/mext_00663.html

以下、動画を制作した学生の感想です。

「表情やしぐさなど、言語以外の面で意味を伝える難しさがわかりました。パワーポイントを作るときは見やすさ、イラストの適切さ、そして収録の際はゆっくり、はっきり読むことを意識しました。日本に住む外国人の子どもが、教育を受ける機会を得たり、学校の授業の内容を理解する手助けになれば嬉しいです。」(鋤柄唯)

「私は副専攻で日本語教育に関して学んでおり、今回の動画制作に関われたのは大変勉強になりました。撮影時には、口の動きを見せることを意識し、同じ語でも少し発話スピードを変えて発音するなどの工夫をし、初めて日本語を学ぶ子ども達にも理解しやすいよう心がけました。」(塚田百音)

「日本に来たばかりで、文化も風景も何もかもが今までと違い、不安を抱えながら日本の学校に通っている子ども達の力になれたらという思いで、参加させていただきました。授業をやる上で一番心がけたのは楽しそうに笑顔で教えることです。子ども達が日本での毎日により明るい希望を持ち、より深く日本語を学ぶきっかけにしてくれることを願っています。」(辻野雅紀)