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国際日本学部

岸ゼミがVR(バーチャルリアリティ)を活用したオンラインフィールドワークを実施しました

2020年10月22日
明治大学 中野教務事務室

本オンラインフィールドワークのちらし本オンラインフィールドワークのちらし

使用したVR写真使用したVR写真

ブレイクアウトルームでのディスカッションの記録ブレイクアウトルームでのディスカッションの記録

VRカメラと打ち合わせの様子VRカメラと打ち合わせの様子

新型コロナウィルス拡大防止のため、国内外でのフィールドワークの実施が困難となりました。研究活動において、実際に現場に足を運び、人と関わり、話しを聞き、問いを持ち、探究していくフィールドワークは重要な教育活動です。私たち、岸ゼミ4年生は、今年度フィールドワークの機会を持つことができなかった3年生が、擬似的にもフィールドワークを体験できる機会をつくりたいと考え、バーチャルリアリティ(VR)カメラを活用したフィールドワークをオンラインで実施することにしました。

VRを活用したオンラインフィールドワークでは、言葉と絵本のライブラリー「ミッカ」を訪問しました。ミッカは、亀有駅前にあるリリオ7階にある子どものための小さな図書館です。以前 私たち岸ゼミ生は、ミッカでのフィールドワークで、子どもたちがそこに「いる」ことで多様性を学ぶしかけ、「使ったら片付けて」「走らないで」「机に座らないで」といった禁止の言葉を使わずに子どもたちが気持ちよく一緒に学べるような場のデザイン、蔵書番号ラベルを使わずに管理ではなく、創造を重視した本の置き方など、学習環境デザインを学ぶ私たちの好奇心を掻き立てられる仕組みの数々に心動かされました。

ミッカで私たちがもった驚きや感動、様々な問いを、フィールドワークの機会を持つことができなかった3年生にも経験してほしい!と考え、ミッカのスタッフの方のご協力を得て、2020年10月11日に亀有の図書館ミッカへのオンラインフィールドワークを開催しました。当日は関東や九州の大学の先生方、幼稚園の先生にもご参加いただき、ミッカ館長の山本曜子さん、ミッカマネージャーの栗原美幸さんたち関係者を含め、14人の方にご参加いただきました。

オンラインフィールドワークで利用したのは、VRカメラです。春学期の対面ゼミで、VRカメラをつかったドラマ制作などを経験したことから、VRを使ってリアリティのあるフィールドワークができると考えました。三密にならないように考慮して、少人数でミッカを訪問し、VRカメラで撮影させていただきました。

テレビ会議システムZoomを使ってリアルタイムで集まり行ったライブ型のワークショップでは、リアルなフィールドワークを経験していただけるように様々な工夫をしました。事前に撮影したVR写真でミッカの中を探検しながら気づいた点や興味を持った点をディスカッションしました。進行役がミッカの館内を案内する (説明する)のではなく、参加者からVR写真をみながら、出た「これってなに?」「これはどのような工夫があるの?」といった疑問を拾いながらツアーをすることに気を付けました。また、ブレイクアウトルーム機能を利用して双方向の会話づくり、チャットでの参加しやすい環境づくりなどオンラインフィールドワークならではの様々な工夫をしました。参加者の様々な視点からの問いと気づきをシェアし対話したり、ミッカ館長の山本曜子さん、ミッカマネージャーの栗原美幸さんに直接質問を投げかけたり共に分析するなど、場のデザインについての理解が深まりました。最後には、ゼミ内だけでなく外にもどんどん活動を発信していきたい・繋げていきたいというゼミ生の願いから岸ゼミの3年生の最近のプロジェクトを紹介するお時間をいただきました。

今後も岸ゼミとミッカで新しい体験を生み出せるように、模索していきたいと考えています。


以下、本企画を運営した学生からのコメントです。


・岸ゼミ4年 児玉和也
今回は、外部団体と連携し、学生だけでVRの活用、オンライン開催という新たな試みに、予期せぬことも起こりうると当日まで一抹の不安を抱えていました。実際に『参加者によっては画像を360度で見れない』といったトラブルなどもありました。その場でなんとか対応できたものの、予期せぬことに即興的に、冷静に対応していく力をしっかり高めていかなければと思いました。一方で今後、ますます普及していくであろうオンラインでの活動を企画できたことは大変貴重な経験でした。


・岸ゼミ4年 小嶋春香
私は以前対面でのミッカオンラインフィールドワークに参加し、ミッカに魅了された一人でした。今回オンライン上だけでミッカの魅力を参加者の方々にしっかり伝えられるか心配していましたが、開催してみて、ミッカの方々の熱い想いが参加したひとりひとりに伝わった実感を持っています。新たな試みに挑戦することはとても勇気のいることですが、一歩踏み出してみて良かったです。大学生に関わらず、色々な”体験”が奪われてしまっている世の中ですが、自らで体験を創造し続けていきたいです。


・岸ゼミ4年 松木響子
オンラインフィールドワークという一見矛盾した企画に、今回岸ゼミとして初めて取り組みました。まずは、VRというテクノロジーをうまく活用することができたと思います!また、物理的な空間に集まることができないからこそ、参加者の方々と空気感を共有するにはどうすればいいのかを、普段以上に意識する良い経験となりました。私はこの企画をひとつのきっかけだと考えています。今はオンラインでお互いを知ったり、繋がりをつくる時期。そして、少し先の未来でみなさんと一緒に直接会って活動できることを心待ちにしています!


・岸ゼミ4年 堀田栞奈
直接ミッカに訪問してみなさんで施設のステキな仕掛けを探せたらよかったのですが、首都圏外に住んでいる方にも参加していただけたけるオンライン開催となりました。ミッカの方が「全国にミッカの卒業生と見守り隊を増やしたい」とおっしゃっていた夢に私もすごく共感しました。亀有に直接行けなくても、こうしてミッカを身近に感じる活動をまた一緒にさせていただければいいなと思っております。この経験から、私たち岸ゼミナールも中野に直接お越しいただかなくても全国から、世界から見守っていただける学びを生み出していくために、今後もオンラインというこの状況を、あらゆる意味で逆手に取って楽しく挑戦させていただきたいと思います。