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ゲストスピーカーによる特別授業(12月15日実施)

1.実施日    
2021年12月15日(水)15:20~17:00

2.実施場所
駿河台キャンパス リバティタワー1001教室

3.科目名
総合学際演習

4.テーマ
食をめぐる日本と他国の比較文化論

5.ゲストスピーカー
高野秀行氏(ノンフィクション作家)

6.実施内容
 高野秀行氏は、世界各地の「辺境」地域を長年取材し、そこに住む人々の生活・文化などを軽妙な文体で紹介してきた人気ノンフィクション作家である。科目担当の清水とは、これまで日本の前近代社会と世界の「辺境」地域の文化比較を行った対談集などを刊行し、交流を深めている。本科目でも、すでに3回ゲストスピーカーとしてお招きして、ソマリアの紛争、世界各地の納豆文化、イラクの水辺の民の生活など、学生のまえで多様な話題をご披露いただいた。
 今回は、残念ながらコロナ禍のため参加学生は当ゼミの履修者(2~4年生)のみに限定されたものの、これまで同様、世界各地の様々な食文化を主題にした興味深いお話しをご報告いただいた。コンゴのサル食や、ペルーのヘビ食やカエル食、イラクの鯉の円盤焼き、トン族(中国南部)のヤギの胃液スープ、チワン族(中国南部)の豚の生き血の和え物など、一見すると「ゲテモノ料理」と言われかねないような食文化の紹介であったが、それぞれの文化背景に言及され、多くの参加学生に強い衝撃と深い異文化理解を与えてくれた。とくに、それらの多くが非日常的なハレの食事(コミュニティの再確認)であったり、一種の健康食(滋養強壮食)として根づいていることの意味の指摘は興味深いものがあり、日本の伝統食との類似性にも気づかされた。また、スウェーデンのシュールストレミングと中国のなれずしとの共通点(文化的共通性)や、ペルーのカエル食と伝統舞踊との因果関係などにも言及があり、食文化の奥深さに多くの学生が気づく良い契機となった。参加学生37人。
 

清水 克行 (科目担当教員)