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ゲストスピーカーによる特別授業(12月15日実施)

実施日:2015年12月15日(火)
実施場所:駿河台キャンパス 1031教室
科目名:インダストリアルマーケティング論
ゲストスピーカー:瀬志本 明(新日本無線(株) 執行役員・技術開発本部長)

実施内容:
 今回のゲストスピーカーによる特別授業では、まず最初に、文系の学生にも非常にわかりやすく“半導体とは何か”について、身近な事例に基づきながら解説が行われた。続いて、ついこの前までは〝産業の米〟とまで呼ばれ、日本における産業界の雄として、まさに世界をリードし最も優れた製品を造り出していたわが国の半導体業界がなぜ韓国や中国との市場競争において後塵を拝するようになってしまったのかについての理由が明かされた。さらにそうした厳しい市場環境の中でゲストスピーカーの勤める新日本無線株式会社がいかなるマーケティング戦略を築きながら今日の位置を確保するに至ったのかについて講義がなされた。
 10分休憩の後に、現在の主力商品であるオペアンプについて説明があり、爪の上に載る程の半導体チップの低価格品と高価格品の音の違いについて、楽器の様々な特性に基づきながら、その相違性をスピーカー等の機材を持ち込んで実験を行った。その音質の違いを実体験しながら、技術価値と市場価値の融合的な戦略の有効性と産業財におけるマーケティング視点の重要性について十分な理解が得られた。居眠りをしたり私語を交わしたりスマホを操作したりする学生がまったく皆無であったことからもその関心の高さが窺えた。
 講義後、学生から多くの質疑があり、活発なやり取りが行われた。そして何よりも、授業で展開してきたインダストリアル・マーケティング理論の現実的な妥当性が理解してもらえたところにこそ、今回のゲストスピーカーによる特別授業の大きな効果があったのではないかと思われる。
                                                     
                                                          大友 純(科目担当教員)