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ゲストスピーカーによる特別授業(5月30日実施)

実施日: 2016年5月30日(月)18:00~19:30
実施場所: 和泉キャンパス M306教室
科目名: 総合学際演習

テーマ: 謎のアジア納豆—納豆文化の起源を探る—
ゲストスピーカー: 高野 秀行 氏(ノンフィクションライター)

実施内容:
ノンフィクション作家の高野秀行氏は、これまでアフリカや東南アジアなど世界各地の「辺境」地域を訪ね、それをユーモア溢れる文体で紹介し、多くのファンを集めている人気作家である。近業としては、ソマリア(ソマリランド)の社会の氏族紛争や海賊の実態を追求して、講談社ノンフィクション賞を受賞した『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社・2013年)や、清水克行と現代ソマリアと室町時代を比較対談した『世界の辺境とハードボイルド室町時代』(集英社インターナショナル・2015年)がある。
今回、本演習では、高野氏をゲストスピーカーとしてお招きし、「謎のアジア納豆—納豆文化の起源を探る—」と題して、ご講演をいただいた。内容は、最新刊の『謎のアジア納豆:そして帰ってきた〈日本納豆〉』(新潮社・2016年4月)のご成果をもとに、タイ・ミャンマー・ネパール・中国など、アジア各地の多様な納豆文化・納豆料理をパワーポイントや動画とともに紹介するものであった。それらを見ていくことで、従来、漠然と日本固有のものと考えられてきた納豆文化が、ひろくアジアの山岳地域に広がる文化圏の一環を構成するものであることが明らかにされた。また講演では、ちょうど1週間ほど前に報道された農水省による納豆の国際規格策定のニュースについても言及され、納豆をめぐる問題が日本人の自意識や国際理解とも密接につながる問題であることが強く印象づけられた。
当日は、本演習の受講生以外にも60人以上の聴講者が来場し、高野氏の刺激溢れるお話に耳を傾けていた。

                                                           清水克行(科目担当教員)