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ゲストスピーカーによる特別授業(12月5日実施)

実施日: 2016年12月5日(月)16:20~17:50
実施場所: 和泉キャンパス 6番 教室
科目名: 日本語表現論B
テーマ: 話芸の表現-落語の実演-
ゲストスピーカー: 桂 竹千代 氏(落語芸術協会 二つ目)

実施内容:
 落語芸術協会の桂竹千代さんより、落語の実演をしていただきました。本題に入る前のマクラでは、自身が明大落語研究会に所属している時代のエピソードをコミカルに語ることにより聴衆との一体感を図り、その後小噺をたて続けに披露して、場の雰囲気を温めて笑いやすい状況を作り出していました。小噺の主なものとして以下のようなものがありました。
・落語家の高座名にはおかしなものがたくさんある。
・ディズニーランドの掃除担当のキャストは、ゴミ拾いのことを「星のかけらを拾っている」「モンスターの食べ残しを拾っている」と表現する。
・世界一短い小噺「天国の話」
・自身の所属する一門の米丸師匠、歌丸師匠、竹丸師匠、後輩のエピソード
・NHKテレビと自身の関係
本題の落語は以下の二席でした。
・ときうどん
・新作落語
 「ときうどん」は古典落語として有名なものです。東京落語では「時そば」の方が有名ですが、関西では「ときうどん」の方が一般的だと聞いています。古典落語ではありますが、その中には現代風なアレンジがほどこされており、落語が現代にも根付いている話芸であることが実感できるものでした。登場人物の演じ分け、扇子の使い方、うどんを食べるしぐさなど、その高い技術に対して学生たちは感心していました。日常の話し言葉や、身振り手振りを使ったコミュニケーションにおいて、私たちも意識したほうがよい要素が数多く見られました。
 新作落語は、若手社員が、「無礼講」という言葉を真に受けたり、「寸志ありがとうございます」「豪華な粗品をありがとうございます」などと言ったりして失敗する内容でした。日本文化や日本語語用論の立場からも興味深いものでした。
 終了後に学生から提出された感想には、プロの話し方が長時間の訓練のたまものであることや、話す内容も重要だがどのように人を話に引き込むかが重要であることなどに気づいたというものが多く見られました。
 今回の実演は、落語というものが、話し言葉を使った高度な芸術であり、現代の日本文化に寄与しているということが実感できる有意義なものでした。
                                                 

石出 靖雄(科目担当教員)