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ゲストスピーカーによる特別授業(5月16日実施)

1.実施日    
2018年5月16日(水)9:00~10:40

2.実施場所
駿河台キャンパス 1001 教室

3.科目名
国際交通論A

4.テーマ
 
The role of transportation in tourism development in Hawaii

5.ゲストスピーカー
Russell Uyeno 氏 (Professor, Department of Urban and Regional Planning, University of Hawaii)

6.実施内容
 ハワイ大学のDr.Russell Uyeno先生により、米国ハワイ州を中心に、歴史の始点から、交通とツーリズム産業との関連及び今日のハワイ州の交通システムの紹介及び説明を行った。
 Dr.Russell Uyenoはかつてハワイ諸島の先住民であるミクロネシア諸島から水路によるハワイ島の上陸、クック船長によるハワイ諸島の発見に使用された船舶の紹介をはじめ、今日ハワイ州の海上物流である最大手のMatson社をベースに、船会社によるハワイ州のツーリズム産業の開発と促進、さらに貨物輸送も手掛け始めるなど、交通における人の流れとモノの流れを時代やニーズの変化とともに、企業が異なる手法を使ってビジネスを展開してきた経緯を説明した。
 また、1959年以降のB707をはじめとする大型ジェット機の運航開始によるハワイ州のツーリズム産業へのインパクトや、B747の導入によるツーリズム市場の急速な拡大などを触れ、交通輸送モードの変化がハワイの産業に大きなインパクトを与えたことを事例に交えて紹介した。
 さらに、交通が面している課題である環境問題の対応や私的交通と大量交通輸送システムに対し、現在ハワイ州の状況を説明し、環境問題や自家用車の弊害がわかりつつ、ハワイ州の住民が公共交通システムの利用に対する巨額な初期投資及びそれによる不便に賛成できていない状況を述べ、公共性のみを強調しても、交通システムの利用者に納得できないとなかなか整備が進まないことを説明した。それについて、学生から多くの質問を受けた。
 同時に、環境問題へのこだわりが新たな交通システムを整備する際の大問題となり、それを問題視にして効率的な現代交通システムの整備が進まないハワイ州の現状も触れ、日本で環境対応を考える際に、優先すべき課題の再考を促した。
 日本の事情を中心に交通システムを理解してきた学生にとって、交通の多様性を触れ、さらに多くのヒントを与えた講義と認識する。

町田一兵 (科目担当教員)