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ゲストスピーカーによる特別授業(7月 5日実施)

1.実施日    
2019年7月5日(金)10:50~12:30

2.実施場所
駿河台キャンパス リバティタワー 1001教室

3.科目名
保険学A

4.テーマ 
新しい保険業態「少額短期保険」の概要とその発展

5.ゲストスピーカー
小泉 武彦 氏(一般社団法人日本少額短期保険協会・専務理事)

6.実施内容
 一般社団法人日本少額短期保険協会 専務理事の小泉武彦氏をスピーカーにお迎えし、二部構成で講義を行った。
 第一部では少額短期保険の制度誕生までの経緯、保険会社との規制の違い、さらに今後の展望について概説した。少額短期保険はミニ保険と呼ばれることが多いが、2006年の制度成立以降、その参入しやすさから事業規模の伸長が続いている。また、特長のある商品、経営上の創意工夫、インシュアテック(InsurTech)を効果的に活用したベンチャー企業の参入など、保険会社とは異なるビジネスモデルを展開するとともに、最近は保険会社が少額短期保険と同様の商品を開発するなど協業も進んでいることなどが紹介された。
 第二部では、協会孤独死対策委員会がまとめた「孤独死現状レポート」をもとに、孤独死の現状について紹介した。少額短期保険全体で圧倒的なシェアを占める家財保険では特約として孤独死の事後処理のための費用を補償していることから、協会として孤独死を社会問題と捉え、社会貢献の立場からこれまで実態すら十分に把握されていなかった孤独死について業界全体でデータを蓄積し分析し、その成果を広く社会に発信している。同レポートのデータから、ごく限られた高齢者の問題と思われていた孤独死は、実際には一人暮らしの20代の女性の自殺による割合が多いなど意外な事実が明らかになったことが紹介された。
 大変詳細な資料をご用意の上、丁寧に解説頂いたおかげで一部、二部ともに学生にとってはそれまでほとんど知識がなかった内容であったが、大変理解しやすかったようである。授業後に学生から提出されたレポートでは、「孤独死が実は身近な問題であることを知り、予防は社会全体で取り組むべき課題であることの認識を深めた」といった感想が多く上がっていた。

中林 真理子 (科目担当教員)