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ゲストスピーカーによる特別授業(9月28日実施)

1.実施日    
2019年9月28日(土)13:30~15:10

2.実施場所
駿河台キャンパス リバティタワー 1134教室

3.科目名
総合学際演習

4.テーマ 
「川」と文明—日本中世と各国の比較—

5.ゲストスピーカー
高野 秀行(ノンフィクション作家)

6.実施内容
 高野秀行氏は、アフリカや東南アジアなど世界各地の「辺境」地域を訪ね、それをユーモア溢れる文体で紹介し、多くのファンを集めているノンフィクション作家である。また、近年では、その幅広い知見を活かし、本科目担当教員である清水とともに、現代の辺境地域と日本の前近代社会を比較考察した対談録『世界の辺境とハードボイルド室町時代』(集英社インターナショナル・2015年)、『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』(集英社インターナショナル・2018年)なども刊行している。
今回、本授業では、高野氏をゲストスピーカーとしてお招きし、「「川」と文明」と題して、中東イラクの湿地帯地域(アフワール)に暮らす人々の生活についてご講演をいただいた(同内容は、現在、『オール読物』誌に「イラク水滸伝」として連載中)。ご講演の内容は多岐にわたり、アフワールの人々の食事(鯉の円盤焼き・水牛のクリーム)や、住居(葦を利用した豪華ゲストハウス)、船の製作過程など、動画やパワーポイントを駆使して、ふだんなかなか見ることのできない当該地域の興味深い生活実態が紹介された。また、討議時間においては、ご講演内容を踏まえて日本史上の水上生活文化との類似性や相違点などについても活発な議論が交わされ、参加者の異文化への理解、自国文化への洞察を深めることにもつながった。
当日は、演習室所属の2~4年生30人ほどの出席により、アットホームな雰囲気で進行した。高野氏のお話はノンフィクション作家としての心構えについてまで説きおよび、参加学生は高野氏のお仕事とそのお人柄に魅了されていた様子であった。
 

清水 克行 (科目担当教員)