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ゲストスピーカーによる特別授業(11月25日実施)



1.実施日    
2020年11月25日(水)13:30~15:10

2.実施場所
オンライン講義

3.科目名
総合学際演習(4年)

4.テーマ
日本語と韓国語の風景—日韓の位置名詞の考察

5.ゲストスピーカー
魏 聖銓(ウィー ソンジュン) 氏 (法政大学理工学部兼任講師)

6.実施内容
 留学生として来日してから30年近く、日本語学習者として、そして日本語研究者として日本語と向き合ってきた魏聖銓(ウィー ソンジュン)先生に、韓国語と日本語の意味分析、語構成等についてお話しいただきました。今回はZoomによるオンライン授業として実施しました。

 取り上げられた話題は、次の通りです。
1. 位置名詞「まえ」「さき」について
2. オノマトペの造語性
3. 新造語(流行語、縮約語)
4. 語の意味範囲<ことばと文化>
5. 朝鮮通信使から学べる善隣友好

 第二外国語として韓国を学んでいる、K-POPが好きだという受講生もいましたが、ほとんどが韓国語についての知識がない中、わかりやすく韓国語の例についてご説明くださいましたため、言語というものが社会や文化の中でどのように振る舞っているのかがわかる講義となりました。特に、韓国語の新造語である「혼밥(honbap)」(一人ご飯)と日本語の「孤食」「個食」「ぼっち飯」との比較や、「친구(chingu)」(友達)と「友達」との違いについては、意味範囲の違いについてのみならず、イメージの違いや文化的背景についてまで議論ができました。これは、受講生にとって、語の意味や翻訳について本質的なことを考える良いきっかけになったことと思います。
 また、受講生の多くが修了論文を執筆中であったことから、ご自身の博士論文執筆時のお話を交え、論文を完成させることの難しさ、楽しさなども語ってくださり、受講生にとって自分自身の研究に対する取り組み方について振り返る良い機会となりました。
                                                                                                   黒﨑 典子 (科目担当教員)