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ゲストスピーカーによる特別授業(12月10日実施)

1.実施日    
2020年12月10日(木)13:30~15:10

2.実施場所
駿河台キャンパス

3.科目名
経営分析論B

4.テーマ
経営危機と労働者

5.ゲストスピーカー
 北 健一 氏 (フリージャーナリスト)

6.実施内容
 経営分析論Bは、経営分析の基本技法を学ぶとともに、企業の経営状態に関するさまざまな見方、社会全体からみた意義などについて、問題を提起し、学生に考えてもらうことを重視している。企業の経営状態は、働く労働者にも多大な影響を及ぼしていることから、経営分析と労働者をテーマに、ゲストスピーカーをお願いしている。
 今年度は、コロナ禍のもとで、雇用問題が深刻化していることもあり、経営危機と労働者というテーマで、雇用問題に詳しいフリージャーナリストの北健一さんに講義をお願いした。内容は、以下の4点から構成された。

1. 整理解雇の4要件をめぐる事例、東洋酸素事件
東洋酸素事件は、整理解雇の4要件を確立した判例として知られているが、判決は、労働者側の敗訴であった。判決後の労働者の取り組みによって、職場に復帰した。日本の解雇規制は、EUなどに比べて、緩い。
2. コロナ禍のもとでの経営危機事例、A眼鏡チェーンについて
雇用を確保するために、交渉をし、自主再建した。
3. 会社更生法を活用し「地元の放送局」を守ったケース
地元の経営者の協力もあり、再建された。労働者が取り組む経営分析が大きな役割を果たしている。
4. コロナ禍のもとで、会社が突然、解散されそうになっているB企業の事例

学生からのアンケートなどを活用して、フォローを行うことで、企業の経営状
態、労働者の地位・権利について、視野を広げて検討することができた。特に経営分析による客観的な分析が、労働者の権利を守るうえでも重要であるという新しい視点を獲得することができたようである。
                                                                                                                                                                                  
 野中 郁江 (科目担当教員)