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ゲストスピーカーによる特別授業(6月15日実施)

1.実施日    
2021年6月15日(火)10:50~12:30

2.実施場所
Zoomによるライブ配信

3.科目名
機関投資家論A

4.テーマ
市場構造の変化とアセットオーナーの投資戦略
—オルタナティブ・ESG・インパクト投資

5.ゲストスピーカー
鈴木康之氏(ヌビーン・ジャパン株式会社 代表取締役社長、マネージング・ディレクター)
坂本浩明氏(ヌビーン・ジャパン株式会社 プロダクト・マネージャー)

6.実施内容
 ヌビーン・ジャパン株式会社は、米国教職員退職年金/保険組合(TIAA)の運用部門であるNuveenグループの日本法人である。本講義はヌビーン・ジャパン株式会社の鈴木氏と坂本氏より、アセットオーナーの投資戦略についてご講義いただいた。以下講義の主な内容である。
 まず日本の機関投資家の投資トレンドとして、プライベートキャピタル、不動産、インフラなどオルタナティブ投資が高まっている。オルタナティブ投資のリスク・リターンのプロファイルは伝統的資産との相関が低く、長期トレンドの捕捉と分散効果期待から近年注目されている。様々なオルタナティブ投資があるが、アセットオーナーとして不動産や農地への投資について注目している。農地投資については、地理的条件、作物タイプ、オペレーション戦略、水資源の4つの観点からのポートフォリオ分散投資を行っている。
 次に、責任投資への取り組みについてである。Nuveenグループは50年以上の責任投資の歴史をもつ。2020年末までに運用資産残高の100%についてESG要素を体系的に統合するという目標を達成した。このようなESGインテグレーションとエンゲージメント、そしてインパクト投資が同グループの総合的な責任投資アプローチである。債券投資については、「直接的で測定可能」というインパクト投資の評価を策定し、社会テーマ(低所得者向け住宅、地域コミュニティおよび経済開発の促進)、環境テーマ(再生可能エネルギーおよび気候変動、天然資源)の4つの分野での債券インパクト投資を行っている。
 以上のように、最新のオルタナティブ投資、ESG投資やエンゲージメント、インパクト投資についての講義を聞くことにより、学生は資本市場や機関投資家の昨今の動向に対する理解を深めることができた。

                                                                                                                                                                                     三和 裕美子 (科目担当教員)