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6月8日(水)実施報告(攪上久子氏【テーマ:絵本のバリアフリーを楽しもう・考えよう】)

1.実施日    
2022年6月8日(水)13:30~15:10

2.実施場所
和泉キャンパス LS101教室

3.科目名
心理学A

4.テーマ
絵本のバリアフリーを楽しもう・考えよう

5.ゲストスピーカー
攪上 久子 氏(女子美術大学非常勤講師)

6.実施内容
女子美術大学非常勤講師で臨床心理士・公認心理師の攪上久子先生にバリアフリー絵本についての特別講義を頂いた。講義の冒頭,国際アンデルセン賞を受賞した絵本作家スージー・リーの絵本を書画カメラで示して頂いた。

次に絵本『たのしいどうぶつえん』やその他10冊以上のバリアフリー絵本をご紹介いただき,配架されている場所や,バリアフリー絵本の作り手のほとんどがボランティアであることも紹介された。また,教鞭をとられている女子美術大学で制作されたバリアフリー絵本も紹介された。

その上で,学生たちにバリアフリー絵本でどのような子どもたちにどのようなバリアがあるのかを学生たちに質問され,マイクを回して数人の学生たちがさまざまな障害について回答をした。学生の回答は,身体障害や知覚障害が多かったが,それ以外に,攪上先生からは知覚過敏の子どもの例が挙げられ,布の絵本の手触りが過敏症の子どもたちにもやさしい素材であることが語られた。また本の中でおもちゃのように遊びが出来て,セラピーやヒーリングの効果ももたらされることが紹介された。更にディスクレシアや自閉症の子どもたちが読みやすい本が紹介され,実際に読みやすい字体や紙面の反射と色についてもお話しされた。

次にワーク・スクイッグルの課題で学生たちが参加して実習を行った。その際,数名の作品を示して一人として同じものは無いことを示された。

最後に視覚不自由児の母親が子供のための点訳絵本の制作の逸話や,点字付き絵本の出版に関わるバリアが紹介された。見えない子供の絵本を見える子に普及させようとして生じたバリアについて「いないいないばあ」を例に話された。商業出版から生じたバリア,そこから両者が一緒に感じられるユニバーサル表現が発達したこと,そのことが絵本の表現と可能性を広げること,今後の発展について述べられた。

佐々木美加(科目担当教員)