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商学部

商学部 野田顕彦准教授の論文“Time-Varying Comovement of Foreign Exchange Markets: A GLS-Based Time-Varying Model Approach”が、数学の専門学術雑誌Mathematics誌に掲載されました。

2021年06月17日
明治大学 商学部事務室

 商学部 野田顕彦准教授の論文“Time-Varying Comovement of Foreign Exchange Markets: A GLS-Based Time-Varying Model Approach”が、数学の専門学術雑誌Mathematics誌(Impact Factor 2019: 1.747, Web of Science Journal Citation Reports Q1 Class)に掲載されました。

学術誌名 Mathematics
DOI 10.3390/math9080849
論文名 Time-Varying Comovement of Foreign Exchange Markets: A GLS-Based Time-Varying Model Approach
共著者 伊藤幹夫(慶應義塾大学経済学部教授)、和田龍磨(慶應義塾大学総合政策学部教授)
論文概要  近年、金融資産市場の急速なグローバル化に伴い、株式・商品先物・為替・国債・仮想通貨といった金融資産における価格もまた国際連関に晒されていることが数多くの先行研究で指摘されています。本研究では、外国為替市場における価格(為替レート)の長期変動はどの程度連関しているのか?それらは共和分しているのか?という問題に対して、日本、イギリス、カナダといった先進国における対米ドル為替レートの動向を分析するための時変ベクトル誤差修正モデルを提案すると同時に、1990年5月〜2015年7月の月次データを用いた実証研究を行いました。
 本研究で提案された時変ベクトル誤差修正モデルは、一般的なベクトル誤差修正(VEC)モデルとは異なり、負荷行列を時間の経過と共に変化させることができることがその特徴として挙げられます。ここで、VECモデルの負荷行列は、長期均衡から逸脱するような外生的なショックが生じた場合に、その影響が減衰する速度を意味します。そのため、時変VECモデルの負荷行列に基づく新しい尺度を用いることによって、長期均衡の通時的な強度または堅牢性について詳細な検証を行うことが可能となります。
 さらには、為替レートはマクロ変数によって決定されるため、為替レート間の共和分は、それらのマクロ変数が共通の確率的トレンドを持つことを意味します。したがって、本研究で提案された新しい尺度を用いることで、通時的な市場連動の程度を計測することができます。分析の結果、外国為替市場における価格連関は、過去四半世紀にわたって強固なものになっているものの、1995年と2008年の2つの大きな転換点で逓減しているということが明らかになりました。
 なお、掲載論文の全文は、以下のURLで読むことができます(オープンアクセスですので追加的な購読費用は必要ありません。どなたでも無料でお読みいただけます。)。
掲載論文:https://www.mdpi.com/2227-7390/9/8/849
 
※本研究の実施および公刊にあたっては、科学研究費補助金(研究課題番号:17K03809、19K13747)および、明治大学海外発信支援事業からの助成を受けました。