商学部の現場
明治大学町田ゼミ 日本税関発足150周年記念フォーラムの参加及び最優秀賞取得(2023年3月7日)
2023年03月25日
明治大学
写真1 フォーラム開催のパンフレット
写真2 町田ゼミ参加者全員
写真3 「濃沼(リーダー)、野澤、高橋」チーム発表の様子
写真4 賞状
写真5 受賞の様子その1
写真6 受賞の様子その2
写真7 新井チーム(新井リーダー)
写真8 新井チーム(岩﨑)
写真9 施設の見学
フォーラムは「日本経済を発展させ、日本国民の生活を豊かにする貿易とは何か」というテーマの元、参加する学生たちにテーマに関連した現下の課題への対応や将来像について提案を行うことが今回フォーラムの趣旨です。
我々は明治大学町田ゼミとしてフォーラムへの参加を決意し、準備を開始しました。ゼミ内で参加募集をしたところ、「濃沼(リーダー)、野澤、高橋、新井(リーダー)、岩﨑」の5名を二つチームで参加することになり、発表まで約3か月間、我々はzoomでチームごとの意見交換、先生や税関の方との打ち合わせを重ね、提案のブラッシュアップを行いました。(写真2)
その際、これまでゼミで学んだ物流の知識をテーマに合わせ、他の参加者たちと異なる視点からアプローチすることに心をかけました。それに基づき、「濃沼(リーダー)、野澤、高橋」チームは「ICタグ活用による模倣品被害対策—偽物の国内流通を防ぐために—」という題の元、発表準備を進めてきました。
近年模倣品の被害は年々増加しています。加えて現在模倣品は本物と見分けがつかないほどに高度化しており、令和3年度の偽ブランド品による被害額は全世界累計6755億にも上ったようです。そこで今回我々は偽装品被害の中でも最も被害が深刻であるブランドバックに着眼し、水際で防ぐことを考えることとしました。
現状商業貨物の輸入時には、税関が必要とした場合にのみ手作業での開封作業と人の目による真贋鑑定が行われています。そのため(1)水際で見過ごされている模倣品がある(2)真贋鑑定の精度が低い(3)時間がかかる、という3つの課題があることに我々は着眼しました。
この3つの課題を解決すべく、我々はICタグリーダーを税関に導入する案を提案しました。具体的な施策内容としては、ブランド品に製造段階でICタグを導入し、税関での模倣品チェック時に活用するというものです。この場合税関ではリーダーを用いて検査を行います。結果真贋鑑定が容易に、高精度でかつ短時間で行えるようになると考えています。(写真3)
フォーラムにてこの提案を行ったところ、当日6大学/専校で合計16チームの中、最優秀賞をいただくことができました。他チームの皆さまの高いレベルの発表内容に圧倒されていた中での受賞は非常にうれしく、驚きでした。(写真4~6)
また、同じく町田ゼミでもう一つのチーム「新井(リーダー)、岩﨑」は大変ユニークな視点から、途上国の農業における厳しい現状を鑑み、日本向けに輸出する意欲を持つ現地の農業従事者の輸出促進を税関の立場でサポートする可能性を探ることをテーマに発表を行いました。従来から国連サミットで提唱されたSDGsやフェアートレードに高い関心を持ち二方が見出したアプローチです。(写真7、8)
なお、フォーラムでは発表の他に税関施設や物流施設の見学も行わせていただきました。1日を通じ、実践的な調査によって今まで意識したことのなかった“税関”について学びを深めることができたとともに、食料のほとんどを輸入に頼っている日本において、関税局で働かれている皆様はまさしく“縁の下の力持ち”だと再認識することができました。(写真9)
3か月間の準備を通じ得た経験やいただいたアドバイス、フォーラム当日に知った知識などを胸に刻み、これからのゼミ活動に活かして邁進していきたいと考えております。
最後に、このような貴重な機会を設けてくださった税関局の皆さまをはじめ、審査員や見学先の方々に深く御礼申し上げます。
(文責 町田ゼミ副ゼミ長 野澤美穂)