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国際日本学研究科

特別講義「パフォーマンスアプローチ心理学に基づく発達支援」開催のお知らせ

開催期間:2022年11月12日
明治大学 国際日本学研究科

特別講義「パフォーマンスアプローチ心理学に基づく発達支援」 チラシ特別講義「パフォーマンスアプローチ心理学に基づく発達支援」 チラシ

東京成徳大学応用心理学部 茂呂雄二教授東京成徳大学応用心理学部 茂呂雄二教授

 明治大学国際日本学研究科では、以下の通り、発達心理学を専門とされる茂呂雄二先生をお招きし、特別講義を実施します。茂呂先生は、状況論・活動論を中心に理論を発展させ、さまざまな実践にも関わっておられます。2015年には「遊ぶヴィゴツキー: 生成の心理学へ」で、米国のロイスホルツマン博士らが取り組む心理学へのパフォーマンスアプローチを紹介されました。これまでの心理学が明らかにしようとしたのは何か、そしてその課題、その課題を超えるアプローチとしてのパフォーマンスの観点について茂呂先生と「会話」を中心に特別講義を実施していきます。

「パフォーマンスアプローチ心理学に基づく発達支援」
(チラシPDF)



○日時:2022年11月12日(土)10:30-12:00
○場所:明治大学中野キャンパス  1302教室(高層棟13F)
申し込みはこちらから
(教室での参加は15名までとします。ライブ配信をします)
○講師:茂呂雄二(東京成徳大学応用心理学部 教授)
○タイトル「パフォーマンスアプローチ心理学に基づく発達支援」

○概要:パフォーマンス心理学は、1970年代に貧困や人種差別によって発達を困難にされた若者への支援活動から生まれました。哲学者ニューマンと発達言語心理学者ホルツマンを中心として、ニューヨーク市における発達支援実践を通して発展したパフォーマンス心理学は、①心の営みを(直線的で因果論的ではなく)関係論的双方向的に捉える視点と②発達を(社会的条件への単なる適応ではない)意味と生活の創造として捉える視点からなる特徴を持ちます。これらが貧困の問題やヤングケアラーなど、子ども・若者を取り巻く現在の日本の発達疎外の状況にも大いに参考となると考えます。①はウィトゲンシュタインの哲学批判に由来する視点で、概念や思考を対象指示の像(図式)から理解することの限界やそれがもたらす害を指摘します。②はヴィゴツキーに由来します。通常、発達は社会文化的条件への適応だとする機能主義・経験主義の立場をとりますが、むしろ社会文化的条件そのものを集合的に創造・転換するプロセスも加味しないと、真の人間発達を捉えられないとする視点です。この講義では、二つの視点を具体的な事例や研究実践を交えて紹介しながら、発達と何か、発達を支援するとはどういうことか、その意味を議論します。

○関連文献
・Lois Holzman (著), 茂呂 雄二 (翻訳)(2014)遊ぶヴィゴツキー: 生成の心理学へ, 新曜社
・香川秀太 有本典文, 茂呂雄二 (2019)パフォーマンス心理学入門—共生と発達のアート, 新曜社
・フレド・ニューマン&ロイス・ホルツマン著『パフォーマンス・アプローチ心理学:自然科学から心のアートへ』茂呂雄二 (監訳) 岸磨貴子・北本遼太・城間祥子・大門貴行・仲嶺慎・広瀬拓海(訳)ひつじ書房
明治大学大学院