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情報コミュニケーション
学部

新潟県津南町での活動について(情報コミュニケーション学部・川島高峰ゼミナール)

2024年09月04日
明治大学 情報コミュニケーション学部

 

 川島ゼミナールでは2024年7月2日~4日に新潟県津南町で地域課題の研修を行いました。この研修は津南町役場の全面的な協力を得て実施をしたものであり、町政全般・農林産業・観光産業などのブリーフィングや視察を実施し、新規就農者宅への訪問等も行いました。学生たちはとても多くの地域課題に触れることができ、秋学期には報告書を作成し、役場に提出することとしています。

 古民家の再活用について
 現在、全国的な課題となっている空き家問題への一つのアプローチとして、古民家の再活用を行いました。ゼミ学生の曽祖父母の代からの古民家を学生の宿泊施設として活用しました。学生にとって、「地方の古民家に宿泊するという体験は、普段、都市部に暮らしている私たちにとって新鮮なものでした。設備などはとてもよく整っていたので快適に宿泊できました。通常の宿泊施設と違い津南町に広がる田んぼや周辺に生息する生き物などを身近に感じることができる貴重な機会」となりました。


広大な自然の中にある古民家              家の裏も広々          古民家でバーベキュー

 津南の大自然と農業
 津南町は、巨大な河岸段丘や、竜ヶ窪、清津峡など自然の複合的な要因によって長い歳月をかけてつくられた独特でダイナミックな景観と森や渓谷によりつくられた静謐な空間が各所にあります。それが古代からの地域文化の形成にどのような影響を与えたのかを学びました。
 また、近代における農地開拓や水資源の確保のために行われた大規模な開発が生み出した大平原のような景観が、今、新たに観光資源としての価値を持つようになっていることを実感しました。そして、大自然に囲まれた中で新規就農している方の家を訪問し、家族の方と生計や暮らしについてお話を伺うことが出来ました。

川の展望台にて                     農林振興課長太田昌氏による農業の工業化に関するブリーフィング
古代からの河岸段丘の形成と地誌文化の形成について学ぶ 


冬の降雪を利用した巨大な冷蔵貯蔵庫の見学      新規就農者のお宅でお話を聞く

 津南町と文化・地誌
 津南町には、縄文時代の遺跡である沖ノ原遺跡があり、土器などの多くの出土品があります。博物館では特別に縄文土器を触ることができました。また、アンギン編みという縄文時代から伝わるとされる編み物技術が、改めて再生されることで今日も続けられています。縄文時代を主題とした文化研修施設は珍しく、貴重な学習型観光の資源となっていることを学びました。
 また、津南町は世界最大規模の国際芸術祭として有名な「大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ」の開催自治体の一つでもあり、地誌・紀行文化をインバウンドなどの観光価値に転換していることも学びました。

観光地域づくり課/観光協会事務局長・石沢久和氏による    世界的な映えスポット清津峡
「縄文体験実習館なじょもん」の視察、縄文土器に触れる

 津南町の財政
 津南町のふるさと納税の返礼品の7割が米ですが、米どころ新潟の近隣の自治体と比べると納税額はまだ少なく、貴重な自主財源でもあるため、さらなる拡大のための施策が必要だと思いました。町立病院は赤字経営が続いており、毎年約4億円を一般会計から投入しており、医師の確保なども課題となっています。また町の観光施設の拠点であるニュー・グリーンピア津南も町の財政からの補填により維持されており、豊かな観光資源を持つ津南町の知名度を拡げていくことで、この町の財政問題の対策にすることが必要と考えました。

総務課鈴木正人氏による町政全般のブリーフィング     桑原はるか町長との面談