清原 オンライン授業の導入当初は戸惑いが大きく、意見交換がスムーズにできるか、学生がきちんと反応してくれるのか心配は絶えませんでした。ですが、ふたを開けてみるとレポート課題をきっちり書いてくる学生が多く、驚きました。授業の不明点や良かった点も一緒に書いてくれるので、こちらにとっても参考になりました。私もゼミではグループワークにZoomのブレイクアウトルーム機能を積極的に活用しました。また、履修者の多い講義科目ではOh-o!Meijiシステム(※1)のディスカッション機能やプレゼンテーション動画の提出を通じて、学生が調べたことをもとに意見を述べる機会を作りました。ディスカッション機能は履修者同士の意見交換に大変便利です。ほかにはZoomを使って外部の審査員をお招きし、学年やキャンパスを越えたゼミのディベート大会を実施したり、大学院生向けには海外のゲストスピーカーの講義に参加するチャンスも提供しました。英語を話すのが苦手な学生も、チャット機能を使うと、ぐっと質問をする際のハードルが下がったようです。今後もオンラインの利点をうまく取り入れていきたいです。
坂本 コロナ禍1年目は授業の準備で手一杯でしたが、2年目は少し余裕ができたので、昨年よりさらに学生の気持ちに寄り添うようにしています。自然と参加したくなるようなゼミの雰囲気づくりや、学生が学ぶ目的をきちんと意識できるような課題設定、それからオンライン授業ならではの学生の不安や不満を解消できるようにも努めました。あとは、資料のパワーポイントに音声を入れたり、雑談したり、学生のコメントシートの内容にふれたりと、オンライン授業でも対面と変わらない雰囲気が出せるよう留意しています。
※1明治大学のポータルサイトシステム。大学生活に関するお知らせを各自に配信する「ポータル」、授業資料やレポート提出などの授業情報にアクセスする「クラスウェブ」などの機能がある。
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