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2023学部ガイド座談会

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コロナ禍という時代を生きる学生たちの思い

——学生のみなさんがコロナ禍の学びで感じていることをお話しください。

鈴木
  思い描いていた大学生活とは全く違うものになりましたが、毎回の授業を通じて先生方が入念に準備してくださっていると感じていますし、きちんと学べているという実感もあります。課題の量が多くなり大変な思いもありますが、おかげできちんとスケジュール管理ができるようになった気がします。

川上  コロナ禍で楽しみにしていた入学式やオリエンテーションが軒並み中止になったことは、本当に残念でした。オンライン授業については賛否両論ありますが、「何度も」「細かいところまで」見返せる点はメリットであると思います。大学からも学びに役立つ情報を適宜共有していただいています。客観的に見て、そこをうまく活用できるかどうかで学生の二極化が起きていたとも感じています。

平田  元来、積極的にアルバイトやサークル活動などの課外活動に参加するタイプでしたが、コロナ禍で頻繁に外出していいものか悩み、活動を制限した2年間でした。下手に動けば感染のリスクが上がる、でも毎日を無為に過ごすのは悩ましく、このコロナ禍でどう行動するのが正解なのかと葛藤する日々でした。私も、オンライン授業については先生からは顔が見えにくい分、自分を律せる人とそうでない人と差が開いたように思います。

山室  3年次からコロナ禍になり、授業はオンラインばかりでした。ゼミ活動でも、Zoomだとみんな画面オフで名前と顔が一致せず、一緒に授業を受けたり活動したりという感覚はなかなか得られませんでした。コミュニケーションがあまり取れず、寂しく思ったこともあります。友人と一緒に勉強や研究できる環境があるのは、大学生活において大事な部分であると改めて実感しています。一方、時間や場所に制約を受けないオンライン授業にはよい面もあるのも事実で、「別に家で受講しなくてもいいんだ」と発想を変えて、ゲストハウスや山で授業を受けることもありました。もちろん慎重に行動はしていましたが、オンラインの環境を有効活用できていたように思います。
 

コロナ禍での学生と教員とのつながり

——先生方にお聞きしますが、コロナ禍で授業を行うにあたり抱いている思いや工夫されている点などについて教えてください。

高馬 京子 教授

高馬  オンライン授業になっても内容を掘り下げ、課題をびっしりと書いてくれる学生が増えた気がします。それは裏を返せば、環境に関係なく、自分のモチベーション次第でいくらでも勉強できる余地があるということかと思いました。あとは、幅広く人数設定して話し合いができるZoomのブレイクアウトルーム機能には本当に助けられました。オンラインでもさまざまな機能を駆使すれば、充実した授業ができると実感しています。もちろん、ゼミ活動など対面の方が望ましい授業もあり、学生同士、学生と教員が交流を深められるような工夫が必要だという思いもあります。ほかの先生の授業を見た感想もお話しさせていただくと、大黒先生が担当されている授業「世界のキャンパスから」は本当に大成功だったと思います。
この授業では各国の新進気鋭の研究者のお話を聴講できるのですが、閉塞感のある中で海外とつながれるありがたみを実感しました。対面に越したことはないですが、コロナ禍のこの時期、オンラインのある時代で本当によかったです。

清原 聖子 教授

清原  オンライン授業の導入当初は戸惑いが大きく、意見交換がスムーズにできるか、学生がきちんと反応してくれるのか心配は絶えませんでした。ですが、ふたを開けてみるとレポート課題をきっちり書いてくる学生が多く、驚きました。授業の不明点や良かった点も一緒に書いてくれるので、こちらにとっても参考になりました。私もゼミではグループワークにZoomのブレイクアウトルーム機能を積極的に活用しました。また、履修者の多い講義科目ではOh-o!Meijiシステム(※1)のディスカッション機能やプレゼンテーション動画の提出を通じて、学生が調べたことをもとに意見を述べる機会を作りました。ディスカッション機能は履修者同士の意見交換に大変便利です。ほかにはZoomを使って外部の審査員をお招きし、学年やキャンパスを越えたゼミのディベート大会を実施したり、大学院生向けには海外のゲストスピーカーの講義に参加するチャンスも提供しました。英語を話すのが苦手な学生も、チャット機能を使うと、ぐっと質問をする際のハードルが下がったようです。今後もオンラインの利点をうまく取り入れていきたいです。

坂本  コロナ禍1年目は授業の準備で手一杯でしたが、2年目は少し余裕ができたので、昨年よりさらに学生の気持ちに寄り添うようにしています。自然と参加したくなるようなゼミの雰囲気づくりや、学生が学ぶ目的をきちんと意識できるような課題設定、それからオンライン授業ならではの学生の不安や不満を解消できるようにも努めました。あとは、資料のパワーポイントに音声を入れたり、雑談したり、学生のコメントシートの内容にふれたりと、オンライン授業でも対面と変わらない雰囲気が出せるよう留意しています。


※1明治大学のポータルサイトシステム。大学生活に関するお知らせを各自に配信する「ポータル」、授業資料やレポート提出などの授業情報にアクセスする「クラスウェブ」などの機能がある。


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